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募らせた願いはどこへ向かう。~「細胞プロミネンス」のお話~(その2)

【前回までのあらすじ】

「もっと…上に行きたい!」という、マリ子のセリフを「細胞プロミネンス」の間奏に挟みこむという熱い演出を見せてくれていた伊藤美来さん。

しかし、ソロデビューが発表されたイベントではいつもならば入るはずのそのセリフがなく…?

そしてとうとうバースデーライブの舞台からも姿を消してしまった「細胞プロミネンス」。果たしてどうなる―――

 

 

ということで(その2)です。

今回は、「細胞プロミネンス」がかつての姿から形を変えてしまったことやバースデーライブの場で歌われなかったことについて、「もしそこに何らかの理由があるとしたら」という観点でお話をしたいと思います。

 

 

 

まずは、「細胞プロミネンス」に描かれるマリ子のイメージから確認していきましょう。

ここでは「上へ行きたい」というマリ子の思いが曲中にも込められているものとして、ざっくりと。

 

1番では、

『君ならきっと「上」に行けるよ、という声で周りが満たされていたはずが、いつの間にかそんな声も止んでしまった。

だが、あんな日々を今では懐かしく思い出しながらも、さらに強い志を持って「上」を目指している。』

という、夢の舞台に置いてけぼりにされながらも、なおも「上」を目指すマリ子の現在地が描かれています。

2番では、

『現実はそう甘くはなく、「上」への思いも果たして届いているのかどうか。

うまくいかない中で焦りが生まれ悔しさを感じ、どう頑張ればいいのかさえわからなくなってしまった。

もっと、もっとというあてどない願いは居場所を見つけられず彷徨う。』

という、理想と現実の間で足踏みし、もがく姿が描かれています。

(「命短し 恋するならば」「そらんじたラブソングはletter」(以上歌詞より引用)など、「恋」というワードがあるのは、あえてその片思いの対象を「メジャーの舞台」として考えました。今時のアイドルに男相手の色恋はご法度ってやつよ)

落ちサビ~大サビでは、

『もがき苦しみ涙を流していたところを、「どんなときもどこだって そばにいるから」と支えてくれる優しい声がした。

そして気づく。そんな気持ちに応えることこそが道を示す標なのだと。

再び熱を帯びた思いは、体中の細胞をひとつ残らず全て燃やすかのごとく熱く、熱くなっていく…』

と、苦しいときでも支えてくれる存在に気づき、その気持ちに答えていく決意で再び顔を上げる姿が描かれています。

 

まとめると、

『メジャーデビューを目指すも思うように行かず苦しんでいた。

だが、そんなときでも変わらず応援してくれる人の存在に気づき、

そんな人達の気持ちに応えたいという気持ちで再び上を向く』

という内容が描かれていたと言えるでしょう。

こう文字を打っていても、脳裏には地下アイドルの世界で様々な逆境に耐えながらも輝きを放つマリ子の姿がありありと浮かんできます。

 

 

 

「細胞プロミネンス」そのものの振り返りをしたところでさっそく本題に入っていこうと思うのですが、結論から言うと

伊藤美来さんはソロデビューしたが故に地下アイドルであるマリ子と同じ目線でいることができなくなった』

というのが「細胞プロミネンス」に変化が起こった理由なのではないかなと、自分なりにはそう思っているのです。

ここからはそんな話をつらつらと続けていきますが、あくまでいちオタクの想像、妄想だということは重々承知の上で与太話として聞き流してくれれば。

 

伊藤美来さんは様々なところに思いを込めるお方です。(これは前にも言ったね)

もともとそういう類の工夫がいろいろなところにあるのはわかっていましたが、「伊藤美来 まるっとまとめ!」第5回でお話が出ていた、セットの扉の装飾にも意味を持たせていたという話には衝撃を受けました。昼の部で1マスだけ色が抜け落ちているのは気づいていて、「もしかして塗装ミスなのでは…?」とひとり心配していたところ夜の部で直っていて内心ホッとしていたのですが、まさかあれがマス目の数も、昼は1マスだけ抜け落ちているところまでも含めた演出だったとは夢にも思わず…。想像の斜め上からそういった演出を入れてくるあたり、本当にいろいろと考えた上で仕掛けてくれているんだなと改めて実感させられたエピソードです。

それだけいろいろな考えを持ってライブに臨んでいるから、いつもの素晴らしいパフォーマンスがあるのでしょう。

加えて、伊藤美来さんは自らの名義のライブにおいてはキャラソンを「そのキャラになりきって」ではなく「自分の中に落とし込み、自分のものとして」歌うスタンスを随所に見せています。(その辺の話は最初の記事

http://uouo-fishheart.hatenablog.com/entry/2016/10/22/012750 に)

だからこそ、ソロデビューの話などまだ影もなかった去年のバースデーライブでの「細胞プロミネンス」は、伊藤美来さんとマリ子の境遇がシンクロしてかつてないクオリティにまで昇華したのではないでしょうか。

 

ところで、これは確か先日のバースデーライブのときに伊藤美来さんが語っていたことなんですが、ソロデビューの話が来たのは去年のバースデーライブの後だったのだとか。(ネット上にソースが見当たらない…)

そこから1年がかりで「泡とベルベーヌ」発売までたどり着いたということなんですが、その期間というのがまさに前回の記事で挙げた全5回を聴いた期間の前後にまたがっているんですね。

で、このソロデビューの話のタイミング。ちょうど去年のバースデーライブと、「ぽへ…」っとしたミリオンドールのイベントの中間に位置します。

もしかしたら、ソロデビューの話は既に去年の段階から「細胞プロミネンス」に影響を及ぼしていたのかもしれませんね。(あくまでもしかしたら、って話ですが)

 

同じように、今年のファンミーティングの際の「細胞プロミネンス」についても、様々なめぐり合わせの末についに「上」に行けることが決まった伊藤美来さんには、もはや「上に行きたい」という想いは言うなれば小さくなったドレスのようなものだった、と考えれば納得がいくというものです。「細胞プロミネンス」的な物言いをすれば(前の記事のタイトルから既にそんな物言いは随所に散りばめてるけど)、君はすごいね、成れたんだよと。募らせた願いはついに「上」という居場所に向かうことができたのだ、と。(キリッ

そして、ソロデビューを目前に控えた今年のバースデーライブでは、去年「上へ行きたい!」という願いを乗せた「細胞プロミネンス」の代わりに、「上」への第一歩を共にする「泡とベルベーヌ」を歌い上げ…

 

…あれ、そう結論づけてしまうともう伊藤美来さんによる「細胞プロミネンス」を聴く機会ってミリオンドールのイベントで「マリ子役」として歌うときくらいしかない…?

いや、しれっとまた歌ってくれると信じてるけどね?

そういえば伊藤美来さんはそもそもソロデビューをしたがっていたのでしょうか?

今もそうだけど、伊藤美来さんがどこを目指したがっているかって見えてこないんですよね。

なんだか口には出さないけど虎視眈々と特撮出演を狙ってる気がしないでもない。

…君はすごいのできっとなれるよ、といった感じでエールを送っておきましょうかね。




次回
道を示す標に火は灯された。 
~「細胞プロミネンス」のお話~(その3)へ続く