~「細胞プロミネンス」のお話~(その5)、あるいはアース・スター ドリームのお話(その2)
今回は12/10(土)・ディファ有明夜の部、「アース・スター ドリーム 2周年記念ライブ」について書いていきます。
いろいろと書きたいことがごちゃごちゃしているので、ある程度時系列は辿りつつごちゃごちゃと。
こんな感じの雰囲気でした
16時前後に昼の部が終わり入口付近では何やら特典会が行われ(物販で買い物をしたらメンバー全員と握手できるとかだったらしい。距離が近いですね)(お渡し会で伊藤美来さんの前に放り出されるだけでも毎回消滅しかけてすんでのところで現世に踏みとどまっているので握手は畏れ多すぎて参加しなかった)、その列が一通り捌けるころにはあたりも薄暗くなりはじめ、徐々に夜の部のみ参加の人も集まりつつありました。
そのうちバスが会場に乗り付けてきたので、すわ関係者か?と思いきやバスの側面にはあおいちゃんとひなたちゃん。おやおやここなちゃんに楓さんも…
そう。アース・スターのイベント、ということで『ヤマノススメ』ファンの方々が飯能からラッピングバスを貸し切って乗り込んできたそうなのです。
「3期熱望」という力強い文言の入ったバナーを掲げて彼らも気合十分。「みんな神席」Tシャツに身を包み俺も気合十分。といった感じで、ESDのライブという場でありながら師走のオタクオールスター大感謝祭の様相も呈しつつありました。
17時開場(3万円のS席は16時半から先行入場だったそうな)、17時半開演というタイムスケジュールでチケットごとの整理番号順の入場が開始されました。
確か自分の整理番号のエリアが呼ばれたのが17時10分前後。
今回のチケットはTチケットで前売りされており「お手持ちのTカードで入場できます」というお話だったんですが、入口横に「Tカード引換所」なる張り紙がしてあり、そこで10人位並んでチケットを受け取っていたので釣られてそちらで紙チケットを受け取りました。(事前にそんな案内聞いていなかったし今改めて予約メール見たら「紙チケットの発券はありません。ご予約時に登録されているTカードがチケットとなります。」って書いてあるけどちゃんと自分の番号のチケットが存在していた。謎である。)
海沿いということもあり寒風吹きすさぶ中、引き換えを担当していたご婦人がめっちゃ手を震わせながら端末にTカードを通し、そのデータを元に手持ちの束から我がチケットを探して渡してくれたので本当に申し訳無さが…
なにはともあれ、チケットも受け取りいよいよ入場…と思ったら入り口が左右ふたつに分かれており、右には長蛇の列、左には数人の列が。
当然右の長蛇の列のほうに並ぶのだろうなと考えていたら、正解は左でした。
どうも右側は関係者受付で、ひとりひとりを席に案内する必要があったためかなり待たせてしまったのだとか。(と左の入り口のスタッフさんがこぼしていた。「次回の課題だなぁ…」とおっしゃっていたのでがんばってほしい)
結局普通にチケットもぎられて入場したんですが、もしかしてTカード提示すればそれで入れたのかなぁ…?
で、中に入ってみると時間帯もあってかコンコースが関係者様方(親御さんとかメンバーのクラスメイトなんじゃないかって人たち)でいっぱいで、およそオタクライブに来たとは思えない光景でした。その方々はキャッキャしながらC席後方へと向かっていきました。(たぶんC席後方が身内枠、2階席が業界関係者枠だったのでしょう)
そんな光景を横目に自分もオールスタンディングのD席に行くと、まだ人もまばらで中央寄りの柵前に陣取ることができました。
しかしこの時点で開演予定時刻の15分前。チケットが1,000枚売れてるということなんだから、もうその時間では「人もまばらで」なんて話をしているどころではないのです。客の出足が遅かったのでしょうか?15分前って言ったら日立台ならもうとっくに戦闘態勢だぞ。
…と思っていたら案の定開演時間が15分遅れるとのアナウンス。(最終的には30分遅れた)
なんだか、入場前から開演までの間、いろいろとグダグダだなぁ…と微笑ましいんだか脱力しちゃうんだか、そんな気分になっていました。
それがただグダグダなだけならよかったんですが、後にこれが思わぬ形で繋がってくることに。
ライブの感想
…無い。セットリストが。ネット上の有志によるものから何から、ひとつも存在しない…。
伊藤美来さんのライブならまだしも、初めて行ったところのセットリストなんて丸暗記できるはずがなく。
かと言って我がブログの頼みの綱No.1である、いつも伊藤美来さんの記事をあげてくれるマイナビニュースさんもセットリストについてはノータッチ。
せっかくなのでいろいろ触れて行きたかったところですが、覚えてる範囲でのみとなります。
…と書いているうちに!高尾奏音さんが自らのブログでセットリスト上げてるじゃないですか!(2周年記念ライブinディファ有明|アース・スター ドリーム 高尾奏音オフィシャルブログ「今日もがんばるのん!」Powered by Ameba)
ほんまもんの有能だ…ほんまもんの有能だ…
まず1発目の「Fan Fanfare!!!」。伊藤美来さんのソロバージョンがある貴重な曲です。
歌詞の内容も1発目という状況と大変にマッチしており…とかなんとかいう御託は別にどうでもよくて、それまでのいろいろを一気に吹き飛ばして光の中へと引きずり込まれたような衝撃でした。
何百という観客の織りなすペンライトの光を受けてステージを躍動する姿…それはもう「本物」と言えましょう。
きっと昔からのファンだったら感慨も深かったんだろうな、という光景でございました。
1発目で驚いたのはもう2点。
ひとつは何か舞い降りたんじゃないかというような虹色の衣装(先程の記事の中にも写真がありますが)、もうひとつは生バンド演奏。
生バンドなんて個人的にはほんとに伝説のCWM以来5年ぶりくらいの経験です。ただでさえ名曲ぞろいのライブだったのに、その上全編にわたっていい音までも聴かせていただけるなんて。
元々ESD自体のファンではなかったとしても十二分に楽しめるだけの付加価値だったと思います。
4曲目で『ヤマノススメ』の「スタッカート・デイズ」が披露されましたが、その際にちゃんとMCでラッピングバス隊のことにも触れていたのは好印象。
昼の部もそうでしたが、ファンのアクションにひとつひとつ丁寧に反応して感謝するスタンスは見ていて心があたたかくなります。
そりゃあれだけメンバーが喜んでくれるなら青いハッピ仕込んだ甲斐も、飯能からわざわざ駆けつけた甲斐もあったことでしょう。
7曲目の「光る海のまんなかで」はこのライブのハイライトのひとつと言えるのではないでしょうか。
元は『ミリオンドール』の在宅オタク・すう子のキャラソン。好きな作品なので、『ミリオンドール』楽曲を拾ってくれるのは本当に嬉しいところ。
この曲は「いつも元気をくれる大好きなアイドルに対する自分なりの、心からのエール」という内容なので、その元々のメッセージ性を考えるとこの曲を演者側が歌うということに対して自分の中では若干の疑問はあるのですが…(「細胞プロミネンス」というテーマだけでごちゃごちゃ5個も記事書くタイプのオタクなのでしょうがない)、ここでは「ディファ有明を光る海にしてほしい」という「光る海」というワードを切り取る方向である意味割り切っていて、運営側からも来場者にサイリウムが配布されるなど意図的な盛り上がりどころとして設定されていました。実際きれいだったし、一体感も出ていたしなによりみんな喜んでいたし細けぇこたぁいいんだよ!ってことで。
(久々に「サイリウムを折る」ということをしましたねそういえば。それこそCWMの時代ならまだしも、去年春にCWM以来4年ぶりにStylipSのライブでこういうところに帰ってきたらすっかりキンブレの世でした。)
終盤の「Qunka!」→「今宵フェスティバブル」→「メニメニマニマニ」→「とってもサファリ」の怒涛の『てーきゅう』ラッシュは凄まじいもの。大勢のオタクが「クンカクンカスーハスーハスー」叫ぶ地獄絵図、「日本の奇祭・狂宴2016in有明」といった趣がここにはありました。
一体『てーきゅう』楽曲はなんでここまであからさまにライブ映えを意識しているのでしょうか。意味がわかりません。でもたのしい。だいしゅき。
その他、目標としていた観客動員1,000人が達成されず実数は770人ほどだったことなどが発表されていました。
そもそもの話、アース・スター作品って王道ではないというか、なんとなくニッチ感があるというか。知る人ぞ知る的存在感があるので、そこの中で頑張って集客した結果としてはあれだけ集まればむしろ大健闘なんじゃないかなというのが個人的見解。
今回のライブに参加して、正直ESDのこと気に入ったんでぜひ来年の3周年記念ライブの際には駆けつけたいと思ったりもしているんですが、じゃあ知人を誘って1,000人リベンジに貢献しようかというとどうしてもそこまで巻き込むには引力が足りない。
身内からは『てーきゅう』は好きだけど三森すずこが歌わないとやだ、なんて意見も頂戴しました。
今のところ行くにしてもひとりでかな、という感じです…(どこから目線だよこれ…偉そうにすみません)
個人的「見どころ」の話
前回の記事で、伊藤美来さんとも関わりの深い高尾奏音さんに注目したよというお話をしました。
実は夜の部開演前にノリと勢いで物販でイメージカラーであるピンクのタオルマフラーを買ってしまいましてね…(はてなブログ、いいピンクの文字色がない)
もう、夜の部開演の時点ではすっかりキンブレもピンク色にして振っていた有様でした。(あまり存じ上げない他のメンバーの色を振ってもしょうがないっちゃあしょうがないもんな、という言い訳)
でも、こうして注目していたおかげで大きな発見をすることができました。
あれは確か「毎日コハルビヨリ」でメンバー全員が並んで歌っていたときのこと。
みんなが揃い、心を込めて歌っている中、ひとり違う動きを取る高尾奏音さんの姿に気づきました。
歌いながら、客席に向かって手を振っていたのです。
今、大文字色付きにしておきながら「それだけかよ?」と思った方も多いのではないでしょうか。
しかし、(あくまで個人的にだよ?)個人的にはこのワンシーンがこの日最大の発見と言っても過言ではないくらい重要な意味を持つのです。
何を隠そう、歌いつつ客席に向かって手を振るのはライブでの伊藤美来さんの恒例行事。
ライブ終盤の「Dear Honesty」(いきなりこの記事だけ読む人に説明すると、伊藤美来さんが初めてStylipSで貰ったソロ曲で、本人のライブではだいたい最後に歌われます)の曲中、客席の端から端まで目を向け、可能な限り沢山の人と目を合わせ、手を振ってくれるのが彼女なりのファンに対する感謝の表し方なのです。
それを、伊藤美来さんをリスペクトしてやまない高尾奏音さんが、よりによって曲じゅうに「ありがとう」が溢れる「毎日コハルビヨリ」で繰り出してくるということの意味ですよ。
伊藤美来さんの魂が確かにこの底知れぬ14歳には受け継がれている、そう感じずにはいられないワンシーンでした。
(万万が一間違ってこのオタク記事に紛れ込んでしまったサポーター方面のフォロワーさんがいたとしてわかりやすく伝えると、「立ったまま円陣に加わる背番号9・工藤壮人」「胸のエンブレムを叩く背番号9・工藤壮人」を見たような心持ちと言えば伝わるかと)
…本当にこのライブ行ってよかったと思っている。
(とかなんとか書いておいて全然本人にそんな意図無かったらウケルヨネー、という気持ちが一瞬浮かんできてしまうけど、高尾奏音さんは先日の伊藤美来さんのバースデーライブに行っている(https://twitter.com/Kanon_Takao/status/785458805244997632)という事実がある)
そして、道は「細胞プロミネンス」へ
「1,000人集客」という目標が果たせなかったという通告、来年の3周年記念ライブでの再チャレンジの発表…
そして最後に放たれたのが、ずっと待ち望んでいた「細胞プロミネンス」でした。
結論から言うと、そこで聴いたアース・スター ドリームによる「細胞プロミネンス」は「良かった」。
チケット発券1,000枚達成!までは行ったのに、届きそうで届かぬまま果たせなかった「1,000人」という目標。
その通告をステージ上で受ける非情さといったら。溢れる悔しさも、居場所を失った願いもあったことでしょう。
それでも、目の前のフロアには770人の人間が集まった。みんな、ダルマに目を入れていいよって笑顔で言ってくれる人たちでしたね。
そして、そこで示された「来年、もう一度ディファ有明で1,000人」という新しい道標。
なんだかよく似合うんですよね、「細胞プロミネンス」。
ある意味、今の伊藤美来さんよりもよく似合ってるって言えるかもしれない。
ただ、『ミリオンドール』楽曲の中で今回唯一出てこなかった「Take you to My PARTY!!」。あれは似合わない。歌わなくて正解だと思う。
2ヶ月前の10月10日、伊藤美来さんに「最高がここにある、さあおいで!」って手を差し伸べられて彼女のパーティに連れて行かれたばっかりなんでよくわかるんです――
(突然のオタクポエム おわり 制作・著作 のなかわ)
と、いった感じで。
確かにオリジナルの、マリ子(CV:伊藤美来)の「細胞プロミネンス」こそが至高なのは論をまたないのですが、リアルでの状況が「細胞プロミネンス」的なのはESDのみなさん。
それゆえ似合うんですよね。だから、オリジナルとは違った良さがあってこれはこれでいいんじゃないか、って思いました。
何より大トリで使ってくれているという好待遇だし。
また新たな「細胞プロミネンス」の物語がESDで紡がれていく、というのは素敵だし、せっかくならその行く先を少し覗かせてもらいに行ってもいいなと思っています。
…というのが聴けた分の「細胞プロミネンス」に対しての感想。
実は、一番聴きたかった「細胞プロミネンス」は結局聴けずじまいだったのです。
そう、伊藤美来さんをリスペクトしてやまない高尾奏音さんが歌う、伊藤美来さんの代表曲「細胞プロミネンス」こそ最も聴きたかったのですが…
「高尾タイム」、というものがあります。
日本時間の20時のことを指します。
高尾奏音さんは中学生、悲しいかな20時以降のお仕事は労働基準法で禁じられているのです。
夏に行われた『あにトレ!』のイベントも金曜の19時半開演で、わずか30分で強制退場という一幕がありました。これこそが「高尾タイム」です。
この記事の序盤で、「(開演が30分遅れて)それがただグダグダなだけならよかったんですが、後にこれが思わぬ形で繋がってくることに。」と伏線を張っておいたんですが、それがここに来て繋がってきます。
そうです、「開演が30分遅れたが故に、高尾奏音さんは終演を前にして強制退場を強いられてしまった」のです。
びっくりです。
ちなみに終演したのは20時半。30分の遅れさえなければ、「高尾タイム」を迎えることなく全てが丸く収まっていた計算になります。
もしかして、開演が遅れた時点で本人も途中退場を覚悟せざるを得ない状況下だったのでしょうか。
いやはや、なんとも心苦しい…
そんなわけで、「細胞プロミネンス」を聴くという目的は達成されたものの、その実画竜点睛を欠くというなんとも不思議な幕切れとなってしまったのです。
でも、ここまで来たら納得の行く「細胞プロミネンス」をまた聴きに行くしかないのでは?と、自分の心がそう言います。
なんだかなぁ、とんだ運命のあやで、もう一度ESDのライブに行くことになるかもしれません…
(どこかで何かにつづく)