流川運河のほとりに生えている木

「高尾奏音界隈のデイリースポーツこと弊ブログ」

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IDOLY PRIDE第4話「もっともっとボリュームを上げて」考察

ということで第4話です。

芽衣が加入し、そして星見プロのデビューも決まり…………?

 

第1話 第2話 第3話

 

 

嵐を呼ぶ女?早坂芽衣加入

琴乃から「当時の麻奈以上に頑張ったとして、TRINITYAiLEやLizNoirに勝てるか?」と聞かれたことをきっかけに、”今の星見プロに足りないもの”を思索した牧野。

麻奈ともふたりで話し合い、現有戦力に対して「ソツがなさすぎる、もっとハラハラ、危なっかしさがほしい」という見解が一致したことから、以前たまたま街なかで出くわした奔放な女子高生、芽衣をスカウトすることにしました。

 

琴乃の反発

芽衣の加入初日、琴乃は牧野に対して2度も食って掛かっています。

一度目は芽衣が加わることが発表された直後。渚とふたりで、これまでも度々あったように牧野を廊下に呼び出し、

「新しいメンバーなんて聞いていない」
「(TRINITYAiLEやLizNoirに勝てるか?という問いの)答えがメンバーの増員なのか?」
「彼女(芽衣)が、”私たちに足りないもの”なのか?」

と、矢継ぎ早に質問を重ねます。

それに対し牧野は、

「このグループはまだまだ未完成だと思っている」
「メンバーだって今後まだ増えるかもしれない、もしかしたら、別の……
芽衣が、”星見プロに足りないもの”だと思った」

と返しています。(太字は後述)

 

その後、芽衣を迎えての一日を過ごした琴乃は、もう一度、今度はひとりで牧野を廊下に呼び出します。

ここでは、

可愛い子だと思うし、明るくてセンスもあり、アイドルに向いているかもしれないとは思う。
牧野の言う”私たちに欠けているもの”とは、そういうことなのか?」

と、より具体的な内容で牧野を問い詰めた琴乃。

ここでいう「可愛い」「明るい」「センス」といった要素は、どちらかと言えば努力ではどうにもならない区分のものと言えるでしょう。

ここで琴乃が再度牧野を問い詰めたのは、芽衣の加入によって「自分自身の努力だけではどうにもならない部分が足りない」ということを突きつけられたと解釈したからなのではないかと思われます。

「姉の夢をなんとしても叶える」という信念があり、ただそれだけを見据えて邁進してきた琴乃にとって、そうした事実を突きつけられることは何より受け入れがたいことなのでしょう。

しかし、牧野の本意がそこにないことは、ここに至るまでのやり取りを見ていれば既におわかりかと思います。

牧野は、きっぱりと「違う、そうじゃなくて…空気を変える必要があると思ったんだ」と返しました。

 

琴乃と渚

その「空気」の話に移る前にちょっと余談。

渚が星見プロのメンバーに加わりいつもそばにいることで、琴乃も多少なりともやりやすくなっているような素振りが見えます。

 

OP後の、すずに対し「アイドルの資料があれば見せてほしい」と依頼するシーン。

言い出す前に渚と頷きあっていることから、きっとふたりで予めそういう話を揉んでいたんでしょう。
(このあとの描写から、
・寮で制服=入浴前、私服=入浴後っぽい
・入浴ペアは琴乃・渚っぽい(日替わりかもしれないけど)
ということがわかり、なおかつこのシーンは全員私服なので、お風呂に入りながらふたりでそんな会話をしていたのかなあと)

また、先述の一度目の呼び出しの際にも、渚も琴乃についていきふたりで話し合いに臨んでいます。

 

ただ、一方で常に渚が琴乃にベッタリかというとそうでもないんですよね。

琴乃が、みんなが寮に引き返す中で「当時のお姉ちゃん以上に頑張ったとして……」の話を牧野にしに行ったときには、「あれ、来てない」くらいの反応をしていましたし、二度目の呼び出しの際には琴乃と牧野の1対1でした。

特に後者は、位置関係的に後を追おうとすればできたのに、敢えてひとりで行かせてるような感じを受けるんですよね。

そのあたりはさすが幼馴染、機微がちゃんとわきまえられているということなのでしょうか。

 

芽衣が変えた星見プロの「空気」

さて、牧野が「空気を変えたくて」スカウトした芽衣

終盤には、琴乃もその効果を明らかなものとして認めるまでの変化を星見プロにもたらしました。

 

これまでの星見プロは、

・(さくらはさておき)全員がアイドルを志望し、オーディションを受けている
・真剣に目標を追い求める琴乃と、優等生で生徒会長の沙季の面倒見により、規律の中で真面目にレッスンに取り組んでいた
・が、それゆえ麻奈と牧野曰く「ソツがなさすぎる」
・真面目な一方、琴乃曰く「焦りから、張り詰めた空気を作ってしまっていた」

とまとめることができそうです。

 

言われてみれば確かに、これまでのメンバーの中で周りに影響を及ぼすほどに意思・主張が強かったのが琴乃と沙季のふたりなんだなあと思います。

第3話の居間のシーンで、琴乃の「姉のようなアイドルを目指す」という夢には皆が惹きつけられていたし(だからこそ口々にその話をみんながしすぎて琴乃が我が代表堂々退場す)、沙季は生粋の優等生気質に加え「この中では最年長だから」と、(誰かに「ルールが細かすぎる」と愚痴られるくらいには張り切って)率先してメンバーの面倒を見ていました。

さくらはムードメーカーでこそあれ琴乃ほどアイドルに対する執念をむき出しにすることはありませんし、渚は琴乃に寄り添うのが基本姿勢。

千紗ちゃんは良くも悪くも前に出て目立つタイプではなくそのおとなしさがかわいいし、雫はオタクなので無口。すずにゃんは家柄イキリマウントキッズ

…と、確かにこれまでのメンバーの関係の中では「真面目でおとなしい」「真剣で張り詰めた空気」が生まれるのも納得です。

 

そこに突然やってきた芽衣

彼女は、見れば見るほど「空気を変える」存在でした。

www.lisani.jp

まず、アイドルというものに関して、

――アイドルになるのは昔から夢だったんですか?
早坂 ううん。違うよ。考えたこともなかったよー。

――そうなのですね。幼い頃の夢はいかがでしょう?
早坂 夢って感じのはなかったかな。あ、猫になりたいって思ってたかも! にゃはは。

と、考える限り誰よりも執着がありません。

いや、簡単にトップ取れそうだからアイドルになろうとしたとか抜かしたガキおったな

 

また、活動自体についても、

――アイドル活動を行うにあたっていちばん大切にしていることはなんでしょう?
早坂 楽しむこと!

(中略)

――それも芽衣さんの長所かもしれませんね。そもそも、アイドルを志した理由ってなんだったんでしょう?
早坂 えーとね、楽しそうだったから?

――芽衣さんらしくていいですね。実際どうですか?
早坂 楽しいよー! 大変なこととか、怒られたりすることもあるけどねー。あはは。

という感じで、ただただ楽しくやっている様子が伺えます。

この点でも、琴乃の「なんとしても夢を叶える」という、ときに張り詰めた雰囲気さえ生んでしまうほどの強い意志とはおよそ対極にあることがわかります。

 

その楽しむ姿勢は、日々のレッスンの中で徐々にメンバーにも影響を与えていきます。

沙季が「芽衣のアイディアを取り入れると、どんどんダンスが楽しくなる」と語っています。

芽衣は「元々ダンスは楽しいものだから、当たり前」とこともなげに返しますが、その「当たり前」がこれまでの星見プロには当たり前のことではありませんでした。

これまで、恐らくダンスと言えば「アイドルの頂点を目指す」という目標の上で突き詰めるべきツールに過ぎなかったのでしょう。しかしながら、芽衣はそのダンス自体の楽しさを知っていて、その楽しさを自然とみんなに教える役目をいつの間にか果たしていました。

 

ここまで「空気」を作り上げた琴乃は…

そんな芽衣の加入による化学変化で、雰囲気が良くなってきた星見プロ。

その傍ら、これまでの、「良くなる前の雰囲気」を作り上げてきた琴乃はひとり牧野のもとへ。

芽衣が来てから、みんな自分の意見を言うようになったし、笑顔も増えた」と、「空気」が変わったことがいい方向に作用していることを認めます。裏を返せば、自分自身が「笑顔も少なく、誰も自分の意見を出さない雰囲気」を作り上げてしまっていた、と自覚し、自責の念を打ち明けているとも言えるでしょう。

しかし、牧野は「それも必要だった、その緊張感でみんなの意識が高まった。」と、琴乃の作り出していた雰囲気を決して否定することなく、しっかりと評価しています。

そして、「私は、どうすればいいですか?」と尋ねる琴乃に対し、「迷わず突き進めばいい、琴乃はみんなにとってのエンジンなんだと思う」と、これまでの姿勢を肯定し、そしてここから先へ向かうために背中を押す一言を授けました。

 

ただただ一礼してその場を去る琴乃の姿にいろいろ集約されてますね、めちゃくちゃいい意味で刺さる一言だったんじゃないでしょうか。

こういうところがやはり牧野は良いやつなんだよな。

 

変えた空気は星見プロだけでなく

芽衣の加入は、星見プロ内の雰囲気を変えただけではなく、物語の根幹に関わる部分すら変えました。

なんせ、彼女には幽霊となった麻奈の姿が見えてしまうのですから。

 

寮に入った芽衣は、お夕飯の唐揚げに興味津々の麻奈を見かけると、あまりにも自然に話しかけます。

その後、牧野も交えた3人のやり取りの中で、

・本当に麻奈のことが見えていて、会話もできる
・家系的な体質で、他の人には見えない麻奈のような存在が見える。それゆえ「嘘つき」と言われることも経験してきた。
・牧野に麻奈が見える理由は、芽衣とは違うのではないか

ということが明かされました。

そして、「牧野しか話し相手がいなかった」とこぼす麻奈の、現世2人目の話し相手になったのです。

 

これによって、いよいよこの先の展開が読めなくなってきました。

いや正直「芽衣には麻奈のことが見える」くらいのことはあるのではないかと予想していたりはしたんですが、そうなったとして、「星見プロの中で牧野とは違うもうひとり、麻奈が見える存在がいる」ことがどう転ぶかまでは流石に想定してなかったので。
(バカだからでもなく独特な感性だからでもなく家系的なものだったとは、ごめんね芽衣ちゃん)

今後、芽衣がますます物語を引っ掻き回す予感………!!!!!

 

それにしても、前回は琴乃に頼れる渚という存在が増え、今回は麻奈と話すことのできる芽衣が増えたっていうところもなんだかいい流れですよね。

あとは、牧野が麻奈のことをずっとひとりで抱えずに済んだというのもほっとするポイントです。これまではマジで虚空に向かって喋りかける変な人にしか見えなかったので、理解者がひとりでもいるのは大きいことです。

 

あとは、「牧野のいる寮の離れに単身突撃するメンバー」も、ここではじめて誕生しました。

第2話の経緯もあり、これまではメンバー全員が揃って尋ねることがほとんどでしたが、芽衣は麻奈のところに遊びに行くために、1mmの遠慮も見せずに牧野のところを訪れています。

変な勘ぐりにさえ発展しなければ、こうした交流が生まれるのもまたいい傾向なのではないでしょうか。

 

ということで、「空気を変える」ことを意図してメンバーに加えられた芽衣は、当初の意図を遥かに越えながらも、確かにその役目を全うしているのでした。

 

前代未聞!電撃脱退指令に星見プロ激震

なんと言っても、エンディング後の「デビュー決定」、そして「さくらへのグループ脱退宣告」がこの回最大の衝撃シーンでした。

デビュー決定と持ち上げておいて一気に落とす、そんなんできひんやん普通。

 

その前兆はあったか

この受け入れがたい宣告に至るまでに、果たしてその伏線はあったのか?

一つ一つ検証していきましょう。

 

まず、元々さくらの加入時には、会社側に対してさくらの両親から「体のことについて」申し入れがありました。

また、さくらと一緒に入浴した芽衣は、さくらの胸元に傷があることを見つけていました。さくら曰く、それは手術痕であるという一方、「今はもう全然平気」とも。

さくらには確かに「過去手術するほどの何かしらの不調」があったことは間違いないでしょう。

しかし、琴乃に比べて体力は劣るとはいえレッスンには普通についていけているようですし、本人が「全然平気」と話しているのはある程度信用していいのではないかと思います。

これらのことから、「健康不安説」の影は見え隠れしているものの、ひとまず棄却できそうな気はします。

 

では、実力不足かというとそうでもなさそうです。

なんせ、エンディング前、麻奈と牧野はふたりで思い出のデビューライブの会場を眺めながら「琴乃とさくらのどちらをグループのリーダーにすべきか」という話をしています。

それも、牧野が言い出す前に麻奈がそれを言い当てる形で。

ということはつまり、曲がりなりにも5年間アイドル業界に携わってきている牧野の目にも、かつてアイドルの頂点に手を伸ばしかけた麻奈の目にも、琴乃とさくらはリーダーとして適格で、しかしながら甲乙付けがたいほどに拮抗しているように見えていた、ということでしょう。

(総合的に考えて、間を取って千紗ちゃんをリーダーにしてみては?)

じゃあやっぱり実力不足って言うわけでもなさそうですね。

 

さくらの落ち度は見当たらない、じゃあ…?

そんなわけで、「さくらの側になにかしら不適格な事情があり、脱退を命じられている」という線は薄いように思われます。

今度は視点を変えて、牧野のほうから理由を探ってみましょう。

 

冒頭で、三枝さんから「そろそろお前が動かないとな」と発破をかけられている牧野。

ノートパソコンには、「デビュー計画」の社外秘提案書が映し出されています。

いよいよ責任者として、新人たちのデビューを企画立案する段階に来たようです。

メンバーの向上心を受け止めながら、麻奈の現役当時のことも本人(の霊)に尋ねて参考にしつつ、どうデビューまで持っていくか頭を悩ます日々を送っているようですね。

 

その中で、芽衣の加入について琴乃に問い詰められた際に、

「このグループは未完成だと思っている。メンバーだって今後まだ増えるかもしれない、もしかしたら、別の……

という一言を発していました。

 

ということで、三枝さんからのトップダウンの指令がある中で、まだ未完成のグループをひとつの節目であるデビューに持っていくために牧野が決断した戦略こそが、「さくらがグループを抜ける」だったものと思われます。

「みんなのエンジン」、グループを引っ張っていく原動力だと称された琴乃と並び、甲乙付けがたいリーダー候補と目されている以上、少なくとも戦力外通告ではないことは間違いないでしょう。

「グループを抜ける」がどのような意味になってくるのか、第5話を楽しみに待ちましょう。

 

おわりに ~見えてきた「始まり」~

さて、今回の記事は完成させる暇もないまま第5話放送24時間前を迎えてしまったわけですが、そうすると既に次回予告が公開されているんですよね。

遂に遙子さんが17歳になり、同時に怜の姿も見えます。

やっと、10人のメンバーが揃うことになるのでしょうか。

 

メンバーもそうですが、今回の終盤で牧野と麻奈が訪れたステージも。

第1話冒頭で星見プロが向かっていった先こそが、この場所だったのではないかと思われます。

ということで、物語の一番はじめに明示されたシーンが、そう遠くない位置におぼろげながらも見えてきたような気がします。

 

それはそれで楽しみですが、同時にあのシーンに至ったときこそが、ようやくIDOLY PRIDEが描く壮大な物語の、本当のスタートになるのだとも思います。

そこから先については、ずっと追ってきた(が故に過去大小いろいろなネタバレにたどり着いてしまった)自分でも全く予見不可能の領域に入ります。

 

ウォーミングアップはそろそろおしまいと行きたいところです。

この先に、今までのような仕掛けの部分への関心だけではなくて、もっともっと心を揺さぶられるようなドラマが待っていることを心から期待しています。

 

 

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2019年末~現在まで、IDOLY PRIDEを追い続けた一代記です。

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