流川運河のほとりに生えている木

「高尾奏音界隈のデイリースポーツこと弊ブログ」

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IDOLY PRIDE第5話「別の光 同じ気持ち」考察#2 ~星見プロとネモフィラ~

ということで第2弾です。

1つの記事の長さが大変なことになってしまいそうだったので、ネモフィラ編を分けました。

 

#1はこちら

uouo-fishheart.hatenablog.com

 

 

 

一面のネモフィラに見守られて

www.youtube.com

第5話の終盤で、さくらグループが訪れたネモフィラの咲く公園。

ここまでIDOLY PRIDEを追ってきた方ならすぐにピンときたのではないでしょうか。

そう、ここは「サヨナラから始まる物語」のMVでセーラー服姿の麻奈(※)が立ち寄っていた公園そのものではないかと思われます。

生きていれば22歳になるはずの麻奈が、高校時代に訪れていた公園。そしてそこに咲くネモフィラ

続いてはそこを中心に考えていきたいと思います。

(※初出のときに完全に琴乃だと思っていたやつ。当時は麻奈は19歳という情報しか与えられていなかったので、セーラー服姿の長瀬が出てきたらまず琴乃だと思うのも今考えれば無理はないのですが、見事にひっかかったなと)

 

「どこでも成功」

ということで、再びさくらグループにフォーカスを当てていきましょう。

前日までに、千紗ちゃんと怜の間の軋轢により、決していい雰囲気とは言えなかったさくらグループ。

そんな中、リーダーとしてなにか働きかけられないかと頭を悩ませていたさくらは、事務所の外にある公園を見つけます。そして、公園に他の4人を連れ出してネモフィラを見せ、「ネモフィラ花言葉は『どこでも成功』。今の私たちが一番欲しい言葉でしょう?」と語りかけました。

 

確かに、この5人は5人とも、大きな環境の変化に巻き込まれていました。

少なくとも、あの"なんでもかんでも反発から入って文句垂れがちな琴乃"の口から「沙季が千紗ちゃんを気にしてときどき上の空で、芽衣を止める役が自分と渚だけで大変」という程度の問題くらいしか出てこない、もう一方のグループよりはうまくいっていないというのは確かでしょう。

 

さくらはさくらで、「胸がドキドキして」と星見プロに入って以来ともに切磋琢磨してきたメンバーと分かれ、あまつさえリーダーに指名されるという、環境としても立場としても大きく変わったところに身を置いています。

 

千紗ちゃんは、言わずもがなずっと一緒にいたお姉ちゃんと離れ、自立を迫られる状況となりました。

 

雫は、元はアイドルのオタクだったという経歴があるだけに、今度はその憧れていた側であるアイドルになるというだけでなく、そのパフォーマンスを自らもよく理解するところのLizNoirやTRINITYAiLEと同じ土俵に立たなければならないことのハードルを誰よりも理解する中で毎日を過ごしていたものと思われます。

 

怜は、ダンス高校最強の座を持ちながらも自らの夢のために家族と袂を分かち、スーパーのバックヤードやレジ打ちという、その非凡な才能にはまるで見合わない環境に身を投じていた中で「トップアイドルを目指していると聞いて」星見プロに入ったところ、LizNoirら第一線には程遠い実力しか持ち合わせていない現実に直面し、焦りを見せていました。

 

遙子さんは、元々「今後のことも考えないと」と引退も示唆していた中で事務員だとすら思われるようなポジションに収まっていましたが、最終的には次々に増えた様々な個性を持つ新人たち(そして彼女らは皆歳下である)の中に混ざり、再びセーラー服に袖を通すアイドルの道を志すこととなりました。

(余談ですが、遙子さんが17歳言いたがってセーラー服着るのって、「20過ぎたところからいち新人アイドルとしてスタートを切るのはそれだけ年齢不相応なこと、恥ずかしく痛々しいことと思っていて覚悟も必要だけど、それでも腹を括って頑張る」という彼女なりの意思表示なのだろうか…………なんとか報われてほしい…………………

ネタにされるようなムーブをかましているけど、しかしながら「アイドルを続ける、夢を追い続ける」という輝ける意志が本物だということは間違いないんだよな………………報われてくれ頼む)

 

というように、さくらグループの面々は、それぞれに大きな環境の変化を抱えていました

千紗ちゃんと怜がぶつかったのはその代表例でしたが、そうでなくても各々で不安や悩みを抱えていたことは間違いないでしょう。

そこで、「どこでも成功」という花言葉を持つネモフィラを見つけ、みんなに見せたさくら。

きっと彼女には、ぶつかったふたりだけでなく、メンバーひとりひとりの不安、悩みが見抜けていたからこそ、こうしてみんなを公園に連れ出したのでしょう。

しっかりリーダーできているじゃあないですか、やっぱり適性あるんだと思いますよ。

 

そういえば、さくらは将来の夢は看護師かお花屋さん、というくらいにはお花が好きなようです。

(公開された謎の映像でもお花を愛でている)(事前登録受付中!!)

そういうネイティブな知識に対してスマホの力ですぐに応える雫、というのもいい関係ですよね。

くれぐれもスマホの力を過信せず、いい方向に使ってほしいと思います。(百錬覇王構文)

 

ネモフィラのもうひとつの花言葉

ここでは、「どこでも成功」という花言葉が引用されていましたが、ネモフィラにはもうひとつ重要そうな意味のある花言葉があります。

以前、「サヨナラから始まる物語」のMVが出た時点での考察で調べたんですが、ネモフィラには「私はあなたを許す」という意味もあるようです。

uouo-fishheart.hatenablog.com

 

このシーンで、意を決した千紗ちゃんは「一度は受け入れられず拒絶した怜による厳しい指導を、自分に必要なものとして受け入れる(でももうちょっと優しくお願いします)」と、頑張って怜に伝えました。(Yes,but法で言いたいことを伝えられておりえらい!)

ここでよかったと思うのが、千紗ちゃんサイドが一方的に相手を受け入れる意思を示しただけでなく、遙子さんと雫によって怜のほうにも同様の受け入れが迫られた点です。

遙子さんは、「もうちょっと優しく」という千紗ちゃんの主張が独りよがりのものではないのだと、「確かに練習中の怜は怖い」と援護射撃を行います。
メンバーの中でただひとり、怜の練習ペースについていけている遙子さんは、恐らく「もっと練習しないとLizNoirらトップには追いつけない=練習量が必要なことは確か」ということもわかった上で、「練習がきつい」ではなく「怖い」という表現を使っています。気遣いの遙子だけある(気遣いの遙子と呼ばれている事実はない)

(でもこれなんてまさに気遣いそのものでしょ)(事前登録受付中!!)

 

その遙子さんの発言に同調するように、雫も「スパルタ 鬼コーチ 圧がすごい」と、検索ワードみたいな付け加えをしました。
今度は練習についていけてない側からの印象として、忌憚ない意見を述べています。

忌憚がなさすぎて流石の怜も「はぁ?」と口にしますが、「それ、圧」と咎める雫。そしてめっちゃ頷く千紗ちゃん。「ほんとだぁ」とさり気なく同調するさくら。

ダンスの世界で実績もある怜の言うことはとても正論でした。もっと練習しないとトップには追いつけないというのも、避けようのない真実です。

トップになりたいというその一心で練習に打ち込んでいた怜に対して、周りはこうしてかなりストレートにものを言っていますが、きっとネモフィラに見守られ、怜の心にも率直な意見として「許し、受け入れられた」のではないでしょうか

(あと、このシーン千紗ちゃんが切り出す前に雫が千紗ちゃんのほう見てるんですよね。きっとふたりでこの事を話そうと事前に相談していて、だとすると雫も「切り出すなら今だよ」と視線を送ったんだと思いますが、千紗ちゃんはアイコンタクトするでもなく自分から言い出しています。いやほんと偉い!!!!!)

 

こうして、抱えていたものを伝えあった5人。

そこでさくらは「敬語をやめること」を提案します。

これもまた、「メンバー同士心を許す」こと。これから先、ともに頂点を目指していくグループの大きな一歩となることでしょう。

(「遙子ちゃん」呼びを求められた雫がものっすごく嫌そうな顔してるのすき)

 

そんなやり取りを経て、さくらグループはこのネモフィラの前で記念撮影をすることにしました。

結局琴乃グループも合流して全員で撮影することになるのですが、そこで沙季は千紗ちゃんの曇りのない笑顔を目にし、安心した表情を浮かべていました。

2グループに分かれての練習中も上の空だったお姉ちゃんは、妹の笑顔を見てさぞホッとしたことでしょう。

こうして、わだかまりの解けた星見プロ。

ネモフィラの、さらにもうひとつの花言葉が示すように、「清々しい心」でそのスタートを切ったのでした。

 

2つの時間軸にまたがるネモフィラ

ということで、ここまで第5話自体のお話を進めてきましたが、最後に「サヨナラから始まる物語」のMVとも絡めたお話をひとつ。

MVをよく見ていただけるとわかるのですが、麻奈が訪れている段階では、ネモフィラはこれほどまでにたくさんは咲いていないのです。

youtu.be

(0:38あたりがわかりやすい)

 

一方で、今回のお話では一面にネモフィラが咲いています。驚きの増殖率です。

 

MV当時は麻奈が制服姿ということで17歳か18歳時点です。今の時間軸では麻奈は生きていれば22歳のため、4~5年前の風景ということになりますね。

また、今回のお話で、この公園が星見プロのすぐ裏ということもわかりました。

ネモフィラの見頃は初夏だということも、MV公開当時に調べました。

これらを総合すると、ひょっとしたら「このネモフィラは麻奈が種を撒き、こっそり育てていた。MVはその成長を見届ける一部始終だったのではないか」というふうに考えられるのではないかと思います。

 

それが時を越えてさくらグループ、そして星見プロに届いたというのは感慨深い話です。

しかしながら、では「麻奈はなぜこのネモフィラを育てたのか」、「ひょっとしたら、誰かに何かを伝えたかったのではないか」というところが気になりますね。

そして、「サヨナラから始まる物語」がまだアニメ本編には登場していないというところが、何よりも引っかかります

 

IDOLY PRIDEに構成・脚本として携わる髙橋龍也さんは、かつてかの名作『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』で、「流川ガールズソング」の存在を中盤以降匂わせながら1ヶ月以上引っ張り、最後の最後、最終回で完璧な形で見せてきた方です。

それを知っているだけに、「サヨナラから始まる物語」もマジでしびれるところで、それもものすごい意味を伴って出てくるのではないかと期待しています。

その片鱗が今回のネモフィラから見えてきました。マジで楽しみにしておきましょう。

 

 

ということで、ネモフィラにフォーカスしたお話でした。

語ることが多すぎて記事書くのが追いつかない……………!!!(嬉しい悲鳴)