IDOLY PRIDE第6話「かけがえのないステージを」考察
ねえ 約束だよ かけがえのないステージを―――
ということで、遂に星見プロがデビューを迎えた第6話。
さくらがリーダーを務める「サニーピース」と、琴乃がリーダーを務める「月のテンペスト」が同時にデビューを果たしました。
デビュー曲「SUNNY PEACE HARMONY」の話
サニーピース(以下、サニピ)のデビュー曲である「SUNNY PEACE HARMONY」。
希望に満ち溢れた感じの、非常に元気になれる一曲です。
……というような紹介をしたいのではなく、新しく与えられた情報から何かを読み解くのが弊ブログの役割というもの。
さっそく、ものすごく気になる点を見つけました。
こちらは、書き起こした歌詞です。
ただこれを見せびらかしたかっただけではなくて、歌詞の内容にちょっと注目してみてほしいんですよ。
特にこの辺。
「この想い」「羽ばたこう」………
「君を照らし」「星になる」………………
と並べれば、もうお気づきの方もいるかも知れませんね。
これ、歌詞の節々からTRINITYAiLEの「Aile to Yell」を思い出しませんか????
と思って、ふたつの歌詞を並べてみました。ドン!
同じ色で色付けしたところが「同じような言い回し」あるいは「同様のニュアンス」の箇所です。
詳しく見ていきましょう。
(以下、こっちの色が「SUNNY PEACE HARMONY」、こっちの色が「Aile to Yell」と捉えていただければ。)
・出だし他「この想い」
「SUNNY PEACE HARMONY」も、「Aile to Yell」も、どちらも歌い出しが「この想い」です。
・「もしも迷ったときは 大事なこと 胸の鼓動が教えてくれる」「小さなこの背中 包んでそっと押した 光をずっと覚えてるから」
「胸の鼓動」については、言わずもがなさくらのエピソードを現しているものと思われます。一方、「Aile to Yell」では、ちょうどその位置に「小さなこの背中 包んでそっと押した 光をずっと覚えてるから」が来ています。
どちらも「自分の意思とは関係ない何か」に後押しされる様子が伺えますね。
ついでに言うと、このちょっと前に「ときめき」という歌詞が来ているのも両者一致していますね。
・「明るく君を照らしたい」「5つのピース 重ねれば星になるんだ」と「いつだって君を照らす星になるから」
両者とも、「君のことを照らす」という意思が感じられますね。また、「星になる」というワードも一致しています。
・「君の声を聞けば 乗り越えていける」「君の歌声が聞こえたら 私の勇気に変わる」
「君」は照らす対象であると同時に、「君」の声が自分の原動力となるというところも完全に一致。
・「太陽は君の味方だよ」「この歌声が君のそばで微笑もう」
「SUNNY PEACE HARMONY」では、「太陽」のモチーフを背負うサニピ(それも千紗ちゃん)が、「太陽は君の味方だよ」と語りかけています。
「Aile to Yell」のほうも、「泣き出しそうなつらいときでも、自分たちの歌声が寄り添うよ」というメッセージを投げかけています。
どちらも、自分たちの方から寄り添っていく姿勢を見せており、ここも一致してくるように思います。
・「導きのファンファーレ もっと 光れ 未来へ」「未来だけ響かせて」
ファンファーレと言えば、高らかに響かせるものです。「未来だけ響かせて」と似たニュアンスがあるのではないかと思い挙げてみました。
あと、ファンファーレと言えばLizNoirの「Shock out, Dance!!」で「希望のあと 絶望のあと また希望のファンファーレ」というフレーズが出てきますね。
・「羽ばたこう」「羽ばたかせ」
「SUNNY PEACE HARMONY」の最後の最後で、「羽ばたこう」というワードが出てきました。
「3つの翼」の名を背負うTRINITYAiLEが、「Aile to Yell」だけでなく「réaliser」においても歌っているのが「羽ばたく」というフレーズです。
ダメ押しかのように最後に挟んできましたね。
ダメ押しといえば、最後に「1,2,3,4 サニピー!サニピー!」とカウントアップするところがありましたが、そこもAile to Yellの「Un,Deux,Trois!」に通づるものがあります。
というように、「SUNNY PEACE HARMONY」と「Aile to Yell」、めちゃくちゃ共通点が多いように見えるんですよ。
サニピとトリエルの繋がりって、今のところせいぜい雫がトリエル好きってくらいしかないのですが、それにしてもこれだけ奇妙に一致しています。
ここに来てサニピ自体が誕生しただけでなく、トリエルとも繋がってくるという全く新しい局面が生まれてきています。
ところで、去年の1月に書いた記事で、トリエルについて自分でこんなこと言ってるんですよ。
つまり、「この空を塗り潰す光」というのが彼女らの目指すべきところで、今の時点ではたどり着けていないということです。
「星」である彼女らでもまだ到達していない「空を塗り潰す光」という領域。
星でも月でも、夜空をポツポツと照らすことはできますが塗り潰すことは叶いません。では、空を塗り潰すほどの光を放つものといったら…
そう、太陽でしかありえません。
「Shine Purity」で示されていた「太陽と月夜」という区分けに加え、「星」であるTRINITYAiLEが目指しているものは「太陽」であるという情報も加わってきました。
トリエルも「この空を塗りつぶす光」、つまり太陽のような存在を目指しているのではないか?と。
そう考えると、サニピと方向性が似るのも必然的なことなのかもしれませんね。
これほどまでに似た歌を歌う両者が今後どのような関わりを見せていくのかというところには注目していきたいです。
同じくデビュー曲「月下儚美」の話
すべてを照らす「太陽」と、照らされて輝く「月」
続いては、月のテンペスト(以下、月スト)について考えていきます。
「月下儚美(げっかはかなび)」という難読曲名を引っさげてのデビューとなりました。
書き起こした歌詞はこちら。
どちらかといえば砕けた口調だった「SUNNY PEACE HARMONY」とは対照的に、硬めの歌詞が並んでいます。
また、かわいい方面に振ったサニピに比べ、月ストはかっこいい方面を全面に出しました。
「君が照らすから 輝いてるんだ」
サビの終わりで特徴的に繰り返される、「君が照らすから 輝いてるんだ」というフレーズ。
天体の話をすると、夜空に月が光って見えるのは太陽からの光を反射しているからです。
ということから、ここでの「君」はサニピの面々のことを指すと考えられます。
特に、琴乃にとってのさくらの存在が非常に大きいということは、物語の節々から伝わってくるところです。
Stage of Asterismの最新話でも、琴乃はさくらに「センターで歌ってほしい」と伝えているくらいです。(それに対してさくらも「琴乃が中心にいるのがかっこいい」と応じ、お互いを認めあった上でライバル宣言をしているのでたまらなくアツい)
今は昔、激アツの翁といふものありけり pic.twitter.com/VY6AALVuwp
— のなかわ\( 'ω')/ヘーイ (@mugiBD_No_520) 2021年2月16日
最初は「アイドルを舐めないで」なんて言ってたのに、こうしてお互い認めあうところまで来たのだと考えると感慨深いです。
ところで、この「君が照らすから 輝いてるんだ」には猛烈に聞き覚えがあるなと思ったんですが、「Shine Purity~輝きの純度~」の「君がいて 輝くのさ」そのものですよねこれ。
作詞作曲が同じコンビというのはありますが、それを差し引いてもけっこう似通ったワードが出てきていることに気づきます。
(以下、「月下儚美」はこの色、「Shine Purity」はこの色でいきます)
例えば、「本当の暗闇じゃ 何も見えなかったんだと 輝くこと 意味を知る」というくだりがありますが、「星を見て 輝やかせて 暗闇も恐れない」で「暗闇」が使われていました。
「一人きりじゃ 確かなものは そう何ひとつ見えてなかった」とも対応しそうです。両者の内容を合わせると、「本当の暗闇=一人きり」ということでしょう。
また、「花びら硬く閉じた 誰にも言えなかったあの日から」というところも、「誰に話したらいい?この気持ち 何から伝えたらいい 怖くなる」と近い内容のように思います。
他にも、「私だけの特別な輝きだと 教えてくれた隣の君に」というところは、「優しさの本当の意味も 教えたのは君だよ」「夢の先続くことも 教えたのは君だよ」の部分の続編のような感じがします。
この部分、渚が歌い、MVでは琴乃と渚が映し出されているところではありますが、果たしてストレートにそう受け取ってもいいのでしょうか?ここはどうかな、ちょっと早計かなと思います。
あとは、「ブレずに進め 光させ」というところ。
「見つめ合うだけ 解るの 進むよ」を受けつつ、ここからも変わらずに進んでいくという意味のように思えました。
このように、Shine Purityと対応するワードがいくつかあるような……そんな気がします。
が、同時にやっぱりこちらもこちらで別に対応するユニットがある気もします。
LizNoirとの対応?
やっぱりどうにも、LizNoirに似ているなという印象が拭えないんですよね。
ここに貼り付けたMVの開始20秒だけ見てみても似た印象がありますし、ロゴもなんだかそっくりですし。
あとは、ワンフレーズだけですが、「Shock out,Dance!!」と近いフレーズもありました。
「闇さえ照らせ 月の嵐」と、「心を闇から取り戻せ」。
両方とも、何らかの形で闇に立ち向かっていく意志が伺えます。
ただ、決定的に違うのはLizNoirが「闇は闇のまま、心を取り戻す」のに対し、月ストは「闇を照らす=『闇』という状態に干渉し、変容させる」と歌っているところです。
「闇さえ照らせ」
ところで、さっき「暗闇=一人きり」ということに触れました。
その概念をここにも当てはめると、「一人きりの状態から救い出す」ということになるのでしょうか。
その後、長い間奏を挟んで落ちサビが来ますが、そこでは「月のように照らしたい 人知れずでも 柔らかな笑顔 君に届け」と歌われています。
サニピが「明るく君を照らしたい」と歌っているのに対し、「人知れずでも、月のように照らしたい」と、形は違えど同じように「照らしたい」という意志を示しているところは注目すべきポイントと言えましょう。
ここ、まさに「別の光 同じ気持ち(by The Sun,Moon,and Stars)」ですよね。
また、光り方は違えどどちらも良いということで、「輝きに勝敗はない 純度だけピュアな光(by Shine Purity~輝きの純度~)」という言葉も持ってきたいところ。
「サニーピース」と「月のテンペスト」
最後に、両ユニットの名前についてちょっと考えていきましょう。
「太陽」「月」の要素を抜いた残りは、それぞれ「ピース」と「テンペスト」です。
「ピース」は、振り付けやロゴにも用いられている通りピースサインのピースでもあるんですが、綴りはPEACE、つまり「平和」のことも表しますよね。
またその他、「平穏、秩序、静けさ」といった意味合いも持つ言葉です。
一方で、「テンペスト」。
こちらは平和とは正反対の、「大あらし、暴風雨、大騒ぎ、騒動」を意味します。
ただでさえ「太陽」「月」という、古今東西、「ゴールデンサン&シルバームーン」「レッドサン・ブルームーン」などなどあらゆるところで対比されてきたシンボルを背負うのに、「平穏」「騒動」という保守派革新派・タカ派ハト派みたいな正反対の意味を持つ言葉が並んでいます。
ユニットの名付け親がメンバーなのか牧野くんなのか三枝さんなのか、現時点では全く明かされていませんが、どうしてこうもまた波乱含みのネーミングをするんでしょうか。
ちょっとばかし不穏な気がしますが、杞憂で済むといいなと思います。
ということで、第6話については主に発表されたユニットと、その楽曲にスポットライトを当てていきました。
いろんなところと繋がってくる感じがして、読めば読むほど意味がありそうに思えてきますね。
それにしても、「ピース」と「テンペスト」。対極のワードじゃないですか。
どうか何事もなく、嫌なギスギスはなく成長していってほしいのですが…………その行く末は神のみぞ知るところです。