流川運河のほとりに生えている木

「高尾奏音界隈のデイリースポーツこと弊ブログ」

\( 'ω')/ヘーイ 高尾奏音さんの情報・イベントレポに関しては日本一を自負するブログです。

IDOLY PRIDE第7話「Shining Smile」考察

アニメIDOLY PRIDEが1クール構成なのだとしたら、折り返し地点となる第7話。

第6話まででジェットコースターを登りきったと思ったら、ジェットコースターの一番上が平らだった、そんな感じの踊り場的お話でした。

 

 

 

次回以降に向けて「充電」の回、そして「3年前」から交錯する運命の糸

今回は、VENUS PROGRAMに参戦してから連戦連勝を続ける2グループが、1日だけのオフを満喫する回でした。

そのストーリーの通りメンバーたちが英気を養ったというだけでなく、次回以降に向けて、今までにわかっていた謎が更に深められた側面もありました。

まさにその両面で、「充電」の回となったのだと思います。

 

「3年前」から開催されていなかったNEXT VENUSグランプリ

VENUS PROGRAMで好調な様子を見せるサニピと月スト。

事務所のスタジオに全員が集められた中で、三枝さんから「3年ぶりにNEXT VENUSグランプリが開催される」ということが告げられました。

 

これまでの作中では、NEXT VENUSグランプリについては「麻奈が決勝を戦うはずだった第14回」のことしか語られていませんでした。

麻奈とともにエントリーした遙子さんが早々に敗退し、LizNoirも参戦していたことが描かれていたその第14回の決勝は、会場に向かう途中での麻奈の事故死により幕が上がることはありませんでした。

その後のことはこれまで何も明かされていなかった(のでてっきり翌年以降も開催されていたものと思いこんでいた)のですが、ここに来て、麻奈の死以降NEXT VENUSグランプリが一切開催されていなかったことがわかりました。

そして、このタイミングで星見プロがオーディションを開催したのも、「NEXT VENUSグランプリが復活する」という噂を聞きつけた三枝さんと牧野がそこに向けて準備を進めたからだということもここで初めて明かされています。

 

この事実は、いろいろな示唆を与えてくれます。

 

例えば、この第14回の決勝の相手って、対戦相手の死亡事故という非常事態とはいえとんだとばっちりで優勝の機会を得られなかったってことですよね。

しかも、決勝まで勝ち進む実力を有しているにも関わらず、その後3年にわたってその機会・場すら得られていないと。

麻奈と戦うはずだったその相手が誰なのかはわかっていませんが、その無念たるや相当のものがあることでしょう。

 

他にも、麻奈と同じく第14回NEXT VENUSグランプリに参加していたLizNoirのふたり。

第14回に名を連ねていたということは、当然第13回までに優勝しておらず、そして必然的に優勝の機会を得られないまま3年の時を過ごしていたということになります。

(むろん、麻奈が決勝で当たるはずだった相手がLizNoirという可能性は十分にありますね)

 

星見プロに視点を戻すと、「NEXT VENUSグランプリの開催に向けて、オーディションを行い戦力を整えた」ということから、少なからず三枝さんと牧野には「NEXT VENUSグランプリを獲る」意志があることが伺えます。

この動きにどういう背景があるのかはわかりませんが、そこも今後のストーリー展開を追う中で注目していきたいポイントです。

今のところ自分の中で考えつくのは、「麻奈の弔い合戦・供養といった意味合いで、自社としてリベンジを図っている」であったり、「三枝さんに何らかの思惑があり、NEXT VENUSグランプリのタイトルを狙っている」であったりといったところでしょうか。

星見プロのメンバー個々人はさておくとしても、マネジメントサイドである三枝さんと牧野、とりわけ三枝さんが何を目指して星見プロを運営しているのかというところは未だにはっきりしない部分なので、気になりすぎて木になりそうです。

 

「3年前」の手術痕

水着姿になったさくらの胸元を見て驚く面々。

芽衣には、既に第4話で一緒にお風呂に入った際に明かされていましたが、さくらは過去に心臓の手術をしたことがあり、胸元に手術痕が残っているのでした。

 

ところで、今回は「3年ぶりにNEXT VENUSグランプリが開催」というところでも「3年前」というキーワードが登場していました。

以前にも、「麻奈→さくら心臓移植説」について触れていましたが、手術の時期は具体的には明かされていませんでした。

しかしここに来て、「麻奈の事故で中止になったNEXT VENUSグランプリが3年前」というのと、「さくらが手術を受けたのも3年前」というところの時期が一致してきました。ということは、やはりさくらのドナーは………?となりますね。

この件についてはネット上でも結構な人数が言及しているので割と見え見えなほうかなと思うのですが、ここまであからさまだと逆にミスリードの可能性もあるのか…?と疑ってしまいますね。順当にさくらの心臓は麻奈のものなんだとは思いますけど。

 

また、手術のことについて「もう大丈夫」と話すさくらと、一方で心配する琴乃、その琴乃に「本人ともご両親とも話しており、色々考慮して問題ないと判断したから心配するな」と答えつつも、「細心の注意を払っている」とこぼす牧野………と、なんだか大丈夫じゃなさそうな感じ満々のやり取りがありました。

こういうとき、大抵大丈夫じゃないやつなので………何事もないといいですが。

 

あと、ここで余談を2点。

さくらの手術痕にみんな驚いていましたが、春の入所からデビューしこの夏に至るまで、芽衣以外誰もさくらと一緒に風呂に入らなかったんでしょうかね?

とすると、寮でのお風呂メンバーって固定なのかなあというところに思い至りました。

寮内ルールもいろいろあるんだろうけど、どんな規則で普段暮らしてるんだろうなあ?というのはちょっと気になります。

あともう1点、遙子さんって17歳ぶりたがるけど、17歳、つまり20歳の今から数えて「3年前」の年齢っていうところにはもしや何か深い意味があったりするのか?というのを、今回の3年前ラッシュに関連して感じたところです。

 

星見プロ秘蔵の麻奈の映像

終盤、バーベキューのシーンで牧野がプロジェクターを持ち出し、麻奈の舞台裏での映像を見せる一幕がありました。

世間に対しては「完全無欠なアイドル」として知られていたであろう麻奈が本番直前の楽屋でマカロンを口にする姿の貴重さは、(偽サインを掴まされているとはいえ)熱心な麻奈のファンであるすずが、牧野の襟首に掴みかかるほどの驚きを見せていることからもわかります。

 

世間では、突然の死から3年経った今もなお「あの長瀬麻奈が打ち立てたデビュー以来の無敗記録」が引き合いに出されるほど、麻奈の功績は語り草になっています。

無敗記録を打ち立てておきながら突然この世を去ったことで、ある種過度に神格化され、必要以上に絶対的な存在としてみなされている側面はあるのでしょう。

前回の第6話で、バンプロの朝倉社長は”麻奈の記録にもうすぐ追いつく”という話題を出したTRINITYAiLEに対して「それがどうした、くだらないことにとらわれているうちは長瀬麻奈には追いつけない」と切り捨てていました。

TRINITYAiLEがその言葉をどう受け止めたかは定かではありませんが、いつまでも無敗記録のような世間で作り上げられている「長瀬麻奈の幻影」にとらわれることは決してプラスではないのだということを、大手プロダクションを率いる百戦錬磨の社長が述べていたということは重要なポイントと言えそうです。

 

その朝倉社長と同じ「麻奈の幻想」を解きほぐすアプローチを、当人同士は全く関係なさそう、なおかつ全く別の方法ながらも、牧野もこうして同様に試みているのです。

(幻想なんていうとかっこつけてるみたいでやだね、先入観というか作り上げられたイメージというか、そんな感じのことよ)

 

素顔の麻奈を知るのは、星見プロの中では実の妹である琴乃と、唯一の同僚であった遙子さん、あとは今現在幽霊の姿が見えちゃってる芽衣だけです。あとのメンバーは、皆世に言う「伝説のアイドル・長瀬麻奈」としてしか知らないのではないかと思われます。

しかし、その素顔を知る中でも琴乃は生前の姉のアイドルとしての姿を意図的に遠ざけていたことから、こうして舞台裏での本番直前の姿を見たのはすずたちと同様に初めてだったことでしょう。

で、これまでのことを振り返ってみると、琴乃がただひたすらにストイックに打ち込んでいたのって、「琴乃から見た、麻奈がアイドルに取り組む姿勢」の写し絵ではないかという気がするんですよね。

琴乃から見れば、「麻奈がアイドルになるまではずっと一緒だったのに、そんな時間が失われてしまうほどに」麻奈はアイドル活動に打ち込んでいました。

もちろん、それだけ厳しいトレーニングを重ねていたのは確かです。

ですが、こうして「本番前にも関わらず楽屋でお菓子つまんでる」なんて砕けた姿までは、実の妹といえど知らなかったのではないでしょうか。

 

映像の中の麻奈は、そんなひとときを過ごしたのち、「まだ撮ってるの?もう…」なんて牧野と軽口を叩き合い、屈託のない笑顔を浮かべながら、ステージへと歩みを進めていきました。

そしてその歩みの先にあるステージでどんな結果が待っていたか、というのは言うまでもありませんが、

いつか「負けられないよ」と言った麻奈は、その言葉の通りついに最後まで誰にも負けなかったのです。

 

さて、話を戻しましょう。

月スト・サニピ両ユニットがNEXT VENUSグランプリ参戦を決意した翌日に、丸一日のオフを設けた牧野。

普段は取れないふたりきりの時間を過ごす者あり、プールではしゃぐ者あり、いつもどおりトレーニングに勤しむ者あり、宿題が終わらない者ありとみんな思い思いの1日を過ごしていました。

夜にみんなでバーベキューをする中で、オフのこの1日の締めくくりとして、麻奈の動画をみんなに見せました。(バーベキュー自体は遙子さん提案っぽいが)

 

ひょっとしたら、牧野はNEXT VENUSグランプリへと向かっていく前に過ごしたこの一日を「麻奈もこんなふうに、肩の力の抜けた時間を過ごしてからステージに向かって行った」「そして、必ずそこで勝ったんだ」という、在りし日の星見プロの風景と重ねて見ていたのかもしれません。

その上で、みんなをNEXT VENUSグランプリ―かつて、その麻奈が戦ったのと同じ舞台―に送り出す意味も込め、その風景を共有したのではないかと、そう思うのです。

 

いや、これ大会前のモチベーションムービーとしては最高ではないか?俺がサニピに所属してたら間違いなく気分上がるぞこれ。

 

その他、今週の気になるポイント

今週の千紗ちゃん

今週の千紗ちゃんのコーナーです。

今回は、オフを活用してお姉ちゃんと姉妹水入らずのショッピングに出かけていました。

お買い物を終えてお茶している中で、お姉ちゃんが珍しく弱音をこぼします。

実際にVENUS PROGRAMにエントリーしライブバトルを戦って勝ちを重ねる中で、彼女なりに思うところがあったようです。

千紗ちゃんはそれを聞き、「お姉ちゃんも私と同じで良かった」と、自身も不安を抱えながらライブバトルを戦っていることを打ち明けました。

そして、それだけでなく、「お姉ちゃんと同じ舞台に立ちたいから、立たないと後悔するから、怖いけど頑張る」と、怖さを認めつつも、それでも「お姉ちゃんと同じ舞台に立ちたい」という目標に向けて真正面から立ち向かう強い意志を伺わせています。

 

千紗ちゃんにとってお姉ちゃんは身近でありながらも一番の憧れで、ずっと一緒にいたい人だというのはこれまでも描かれていたところですが、VENUS PROGRAMでの戦いを経る中で、お姉ちゃんにとっての千紗ちゃんも、自分が立ち止まってしまうときにそれを素直に打ち明けることができ、そして前を向かせてくれる頼りになる存在となって来ているいうことがわかります。

(月スト内では最年長ということで、例えば琴乃や渚にはこんなこと打ち明けづらいでしょうし、芽衣やすずはそもそもこの手の相談にあまり向いてなさそうですし。)

千紗ちゃん自身が成長しているのもさることながら、姉妹がそれぞれの立場に関係なく、相互にいい影響を与え合いながら前に進んでいることがわかる非常にいい一幕でした。

 

遙子さんの”私物”

今回のオフは、遙子さんの私物だというビニールプールとバーベキュー用品一式のおかげで随分とにぎやかで楽しいものになりました。

「寮に入るときに持ってきた」旨の発言をしていましたが、なんでそんなものを持っていて、そしてどのタイミングから持っていたんでしょうね?

 

プロフィールからも知られている通り、遙子さんはソロキャンプも嗜む方です。

しかし、ビニールプールやバーベキュー用品って、屋外で使うものだとは言え、”ソロ”キャンプ用品ではないのでその線はまずないと思います。

そのように考えていくと、先程のなんで持っていたか?いつから持っていたか?というところについて「寮に入るということをきっかけに買い揃えた」「つまり、星見プロみんなでこうした場を持ちたいと思っていた」のではないか、というような可能性に思い至りました。

 

もっと前まで遡った話をすると、遙子さんは中学3年生のときに、高校2年の麻奈より数ヶ月だけ先に星見プロ入りを果たしています。

麻奈の後を追ったかどうかはわかりませんが翌年には同じ高校に入り、卒業ライブを開く卒業生麻奈の姿をその後輩として見届けていました。

その翌年、高校2年次には第14回NEXT VENUSグランプリに出場するも、あっけなく敗退。

麻奈の死後は、星見プロとして大きな動きもない中、ただただ鍛錬の日々を過ごしていたようです。

その甲斐あってか、某所ではスキルがTRINITYAiLEやLizNoirにも引けを取らない、と称されるほどの実力を身に付けています。

比較されているライバルユニットも相当以上の鍛錬を積み重ねているということはみなさんもご存知でしょう。

というところから、遙子さんは本作のキャッチコピーにある、「青春を全て懸け」てしまった人なのではないか…と、そんなところが見えてくるような気がします。

高校生時分の楽しいことには脇目も振らず、麻奈亡き後の星見プロでひとりひたすら雌伏の時を過ごしていたのではないか、そして、急に出てきた完璧に揃ったバーベキューセットは、そんな彼女が過ごせなかった楽しい青春時代の思い出の、せめてもの埋め合わせなのではないか…?と、そう邪推してしまうわけです。

 

めちゃくちゃ重い女に見えちゃうけど、この作品それくらいの重さは平気であると思います。

 

 

ということで、本筋はあまり進みませんでしたが、節々に見えてくる気になるポイントについて取り上げていきました。

第8話はいよいよ物語が急展開を迎えそうです。

 備えよう。