流川運河のほとりに生えている木

「高尾奏音界隈のデイリースポーツこと弊ブログ」

\( 'ω')/ヘーイ 高尾奏音さんの情報・イベントレポに関しては日本一を自負するブログです。

IDOLY PRIDE最終話「サヨナラから始まる物語」考察

TRINITYAiLE・LizNoirをそれぞれ破ったサニーピースと月のテンペスト

遂にNEXT VENUSグランプリの決勝で、星見プロ同士が同じステージに立つ日が来ました。

 

ということで、1話から毎話毎話書き続けてきた考察記事も、これが一旦の区切りとなります。

 

 

 

アイドルとマネージャー、それぞれのプライド

この最終話ってけっこう答え合わせの要素が大きいので、深堀りしてどうこうって部分があまりないんですよね。(おかげでどういう切り口で書いていくかだいぶ迷った)

その中でも印象的だったシーンとして、消えてしまう麻奈と牧野の別れのシーンがあります。今回はそこのお話から。

 

最後の最後になって、常々語られていた「麻奈のやり残した夢」の正体が明かされました。

それは、「好きな人である牧野を、トップアイドルのマネージャーにしてあげたかった」というものだったのです。

 

「光と陰」の交差

アニメ・コミカライズの随所で、生前の麻奈と牧野との関わり合いは描かれてきていました。

 

牧野が「光と陰」と形容したこのふたりの関係の始まりは、麻奈が星見プロにスカウトされた際、麻奈からその条件として「牧野の入社」が提示されたことでした。

ですが、そこに至るまでに何らかのきっかけがあり、麻奈は牧野に対して好意をもつことになったようです。

第11話で、牧野と帰り道を共にした琴乃が、かつて麻奈から聞いた「好きな人」の像を、「目立たなくて、頼りなくて、パッとしなくて、何から何まで普通な人。でも、困っている人を見たら助けたくなって、悪い人を見たら怒る。それくらい普通な人」だったと打ち明けています

そもそもアイドルを始めてからの麻奈は琴乃とそんな他愛もない話をする時間も持てていなかったことから、琴乃がこのことを聞いているということは、これは麻奈がアイドルになる前の時点での話だということがわかりますね。

それまでの描写といえばせいぜい同じクラスであるということや、第1話回想にある、文化祭の実行委員を一緒に務めていたということ程度しかありませんが、そんな日々の中で何かが芽生えたのでしょう。

 

一方で牧野も、麻奈のことを「誰からも愛される人気者」と認識していたり、まだ星見プロに関わる前の段階で「テキトーに動画を見ていたら」流れてきたLizNoirや、街のライブハウスで流れているアイドルの映像を見て、「アイドルなんてみんな同じだと思ってたけど、学園祭での麻奈の歌のほうがずっと響いた」と、無意識に麻奈のことを思い返していたりと、少なからず特別視していたフシが見受けられました。

 

そしてある日、麻奈は三枝さんにスカウトされます。

その際にたまたま星見市で行われるLizNoirのライブに招待された麻奈は、「アイドルには興味ない」と言っていた牧野(チケットが余った友達に誘われて来ていた)の姿を会場内で見かけ、「どうしてあそこ(牧野の目線の先)に立っているのが私じゃないんだろう」と、拳を固く握りしめていました。

このこともきっかけになってか、麻奈はアイドルになる決心を固め、同時にその条件のひとつとして「牧野をマネージャーにすること」を提示したのです。

 

そこからは、星見プロではアシスタントマネージャーとアイドルという関係で、学校では隣の席同士として、何をするにもいつもすぐそばで過ごしていました。

レッスンに、ライブバトルに、そしてNEXT VENUSグランプリに。

麻奈の向かうステージの裏側には、いつも彼女が思いを寄せる相手である牧野がいました。

「それが力になっているなんてことがあるかもしれない」、というのは麻奈も直接牧野に伝えていました。

 

それが、決勝に限って「道が混んでいる」という理由で離れてしまい、結果として今生の別れとなってしまったのです。

麻奈も「牧野くんが来てくれないと………」とむくれて見せていましたが、それが最期になってしまおうとは。

 

(参考:Beginning of Lodestar 第1話(無料公開分)

 

「命に代えても」とアイドルの道を邁進した麻奈

放課後、高校の教室で牧野をマネージャーに誘った際に、「マネージャーやってよかった、あのときOKしてよかったって思ってもらえるようにするから。命に代えても」と、麻奈は宣言していました。

Beginning of Lodestarでは、そんな麻奈が宣言通り全身全霊でアイドルとしての日々に打ち込んでいる姿が描かれています。

 

そして、「有言実行」をモットーとする麻奈は、死してなお、幽霊になってまでも、その言葉を守るために牧野のもとへ現れたのです。

新生星見プロのマネジメントを行う牧野を陰から支え、「牧野をトップアイドルのマネージャーにする」という自らが志半ばで叶えきれなかった夢へと星見プロを向かわせることに幽霊としての生命力を注ぎました。

 

ここで今一度、麻奈がなぜアイドルを志したのかというところを確認していきましょう。

元々その歌声や、人格の部分でアイドルとしての適性があった(と思われる)麻奈は、ある日浜辺で歌っていたところ、バンプロを退社し星見市にやってきた三枝さんにスカウトされました。

スカウトされたその場では即答せず悩んでいたところ、スカウトの際に渡されたチケットで訪れたLizNoirの星見市でのライブの会場でたまたま牧野を見かけたときに、牧野の視線の先にいるのが自分ではなくLizNoirだったことに複雑な感情を抱くこととなります。

その後決意を固めた麻奈は星見プロ入りを決め、そこで牧野をマネージャーとして引き込むことになりました。

 

以降のアイドルとしてのキャリアの中で、LizNoirのことを強力なライバルとして意識していたことも考慮すると、「牧野の視線をLizNoirに奪われた」という経験がその後の麻奈に少なからず影響を与えているのは間違いないでしょう。

そこを起点として考えてみると、牧野をマネージャーにするということは「牧野の目線がよそに行かないようにする」という側面もあったのかもしれません。

それは同時に、麻奈のアイドルとしての人生が、麻奈自身はもとより、何の関係もない牧野の青春までも全て懸けてのものになるということも意味します。

しかしながら、牧野自身も「光と陰」と称するほど関わりのなかったふたりが結びつくきっかけを作るには、これくらい強引な手段が必要だったのでしょう。

きっとそれらの意味もすべて理解した上でアイドルになっていた(麻奈の言うところの「色々背負っているから負けられない」)からこそ麻奈は無類の強さを発揮できていたのでしょうし、その道を進む上での究極の目標こそが「トップアイドル」、そして「牧野をトップアイドルのマネージャーにする」ことだったのではないでしょうか。

 

ここまでの話を総合しての考えなんですが、

IDOLY PRIDE(曲名)のラストには

ねぇ 辿り着いたその先で
巡り会えたなら
そっと 手を繋いで
一緒に踏み出していく

という歌詞がありました。

ここは「星見プロが2グループに分かれてNEXT VENUSグランプリに挑み、決勝で当たったなら」という意味も込められているとは思いますが、同時に麻奈がアイドルとしての成功の果てに思い描いていた牧野との未来とも読めるのではないかと思います。

かつて牧野の視線を奪っていったLizNoirを打ち破り、並み居る強豪を全て越えてアイドルの頂点を極めた先ではじめて牧野に想いを告げようとしていた、そんなあまりにも不器用で大胆な恋路こそが、麻奈の描いていた夢の全貌なのではないでしょうか。

 

ですが、実際には麻奈が自らその夢を叶えることは最期までありませんでした。

幽霊となって牧野と一緒に暮らしながら星見プロを後押ししましたが、自分が立てなかった新人アイドルの登竜門であるNEXT VENUSグランプリの頂点で共演する2グループを見届けたところで現世に残れる時間が切れ、自らの残した足跡の先、夢の実現を琴乃たちに託したところで麻奈はその姿を消すことになります。

皮肉なことに、最初に描いていたであろう「アイドルとしての活動の果てに牧野に想いを告げる」というところだけは、麻奈は実行していきました。

同じ頃、会場では

わたしの わたしの 一番近くで
いつでも いつでも 見ていてくれたね
あなたと過ごした かけがえない日々に
贈るよ「ありがとう」

という琴乃の歌声が響く中、牧野に想いを告げた麻奈は「ありがとう」と言い残して牧野のもとを去っていったのです。

 

「プライド」を持つ者同士

最後のシーンで優勝トロフィーに「長瀬麻奈」と書き残していったとおり、麻奈は最後の最後までアイドルとしての矜持を持ち続けたまま、新生星見プロと共にNEXT VENUSグランプリを駆け抜けていきました。

(多分あれ麻奈の筆跡だよね、と思います)

 

だからこそ、アイドルにとって禁忌とさえされることのある恋愛感情については、その活動の間じゅうずっと心に秘めたままだったのでしょう。

だからこそ、ずっと夢見ていた「牧野をトップアイドルのマネージャーにする」という目標は、アイドルとしての極致である「トップアイドル」に自分が辿り着くことが前提だったのでしょう。

そしてだからこそ、その道の果て、牧野との今際の別れのときにしかその想いは告げられなかったのでしょう。

「アイドル」という職業にプライドを持っていた麻奈は、根っから、愚直なまでに最期の瞬間直前までアイドルであり続けたのだと思いますし、「根っから、愚直なまでにアイドル」だったからこそ、夭逝するまでに築き上げた栄光が今もなお語られているのだと思います。

 

一方、そんな麻奈を支え続け、今では逆に麻奈に支えられ続けてここまで来たマネージャーの牧野。

彼もまた、麻奈に負けず劣らず、愚直なまでにマネージャーであり続けました。

高校最後の夏、星見まつりでのライブを終えた麻奈とお忍びで流星群を見に行ったときには、麻奈に手をつないでいいか聞かれながらも断り、

「俺はただのマネージャーで
麻奈をアイドルとしてサポートする存在で…
麻奈にお願いされたあの日から
これからもずっと…」

と自分に言い聞かせています。

Beginning of Lodestar 第8話より)

他にも、新生星見プロの入寮の際に「管理人として同居する」と告げた際にはアイドルたちから白い目で見られていましたが、そのギャップもまた、牧野の方はただただ「マネージャー」としての職責を果たそうとしていたに過ぎないが故に起こった認識の違いだったのではないかと思われます。

 

そんな牧野だからこそ麻奈も全幅の信頼を置いており、自身の体調が悪く牧野が駆け寄ってきた際にも「だめだよ、牧野くんが見るべきは、あっち」とあえて突き放したり(第10話)、「さくらが自分の歌、自分の意志で歌い始めた」から麻奈が消えかかっているのだと聞いた芽衣がさくらへ告げに行こうとするのを止めた牧野の様子を見て「よかった、私の知ってる牧野くんで」とその行動を肯定したり(第11話)しています。

麻奈が全力でアイドルであったのと同時に、牧野も全身全霊でマネージャーという責を果たしており、それがお互いのあり方だったのでしょう。

 

麻奈同様、最期までマネージャーであり続けた牧野。

別れ際の「よかった、牧野くんを好きになって」という麻奈の言葉に対して、

「俺は…マネージャーだ。だから、だからずっと………」

と返しています。

なんせ、あのLizNoirの莉緒でさえ惚れさすようなパフォーマンスをしていた麻奈を誰より近くの特等席で見守っていたんです。そりゃそうなるわ。

それでも、最初に麻奈にお願いされた日から5年もの間、頑なに自分に言い聞かせてその想いが一線を越えないようにしながら、それまで「席が隣同士」程度の接点しかなかった自分と麻奈の間を結びつける、麻奈から与えられた「マネージャー」という役目を真っ直ぐに務め上げてきた牧野のプライドが詰まった一言でした。

 

そんなわけで、麻奈と牧野はお互いの職に対して並々ならぬプライドを持って臨んでいたことがわかります。

だからこそ多くの人を魅了した麻奈がここまで来られたと思う一方で、お互いにプライドがあったからこそ最期まで結ばれることがなかったというのは切ない話です。

 

「サヨナラから始まる物語」

1月に開催された「ANIMAX MUSIX 2021」でも披露され、その際にアニメ本編での登場が示唆されていた「サヨナラから始まる物語」。

最終話の終盤に、満を持して披露されました。

www.youtube.com

 

「サヨナラから始まる物語」は、「麻奈の事故死から始まる物語」であったと同時に、「麻奈の成仏から始まる物語」でもあったのでした。

 

弊ブログでも、昨年夏にこの曲が初公開された時点で考察をしていたのですが、今見返してみてもストーリーの大筋は当てちゃってるような気はするのでなるほど核心に迫った内容だったなと我ながら思います。

uouo-fishheart.hatenablog.com

弊ブログが無名で良かった、もっとたくさんの人が読むような環境だったら消されてたかもしれない………

今なら、当時引っかかっていた「サヨナラから生まれた物語 言えなかった言葉がまだたくさんあるよ」のあたりもしっくり来るような気がします。

一方で、「生まれ変わってもそばにいてくれますか?」のところなんかは今後に向けて含みを持たせているような感じも受けますね。

麻奈がなにかに生まれ変わるような、そんなこともあるのでしょうか?

 

それにしても、最終話のラストを締めくくるライブシーンがその半年も前に公然とYouTubeに上げられているってなかなかに前代未聞ではないかと思います。

昨年3月の時点で麻奈の心臓移植を示唆する内容が含まれたキャラクター関係図が公開されていたことと言い、あとから意味がわかって驚かされることがいくつもありました。

そのへんを考えても、やっぱり物語の骨格の部分がずいぶん前の時点でしっかりと作り込まれており、それがいよいよ今後公開されるゲームの方で発揮されるのだということが楽しみになってきますね。

 

アニメ「IDOLY PRIDE」を総括して

ということでここまで全12話の考察記事をお送りしてきましたが、一旦ここで簡単にアニメ「IDOLY PRIDE」を総括していきたいと思います。

 

まず、プロジェクト発表から足掛け1年、ようやく今年の1月からアニメが始まり、最初に思ったのは「星見プロの面々が動いているところがようやく見られた!」というところでした。

それまでも「サヨナラから始まる物語」のMVなどはありましたが、アニメの1話を見てみんなが動いて喋っているところを見たときにひとつの感慨があったのを今でもよく覚えています。

 

事前情報のあたりから「麻奈が現時間軸で確認できない、死んでいたりするのではないか?」と思っていたところに「サヨナラから始まる物語」をぶつけられてその疑念を更に深めていたのですが、それにしても第1話でいきなり死んでしまうとは、というのがまず衝撃でした。

アニメから入った人がどう感じたかは自分にはわかりませんが、それまでずっと「アイドルの頂点」に近い存在として描かれていたのを見てきていた麻奈があまりにもいきなりこの世を去ってしまうという展開に、11月のイベント終了時には(事前にそこまでは想定していたとはいえ)かなり動揺させられました。

個人的にはこれまでのアニメで一番と言っても過言ではないほど、第1話時点で衝撃を受けたと思います。

 

そこからは、10人が揃う→2グループに分かれる→NEXT VENUSグランプリへ、という流れで話が展開していきましたが、これまた11月のイベント時に「月のテンペスト」「サニーピース」という2グループができるという情報は”社外秘の極秘情報”として仕込まれていたため、イベント参加者としては第5話あたりまでは必然的に「どういう展開でグループが分かれていくんだ?」という目で見ていました。

それもまた弊ブログで「サヨナラから始まる物語」を考察した際に結果的にメンバーの分かれ方までズバリ言い当てていたんですが、メタ的には「ミューレ3期生」「オーディション組」という分かれ方になりつつも、物語として全く無理のない進み方はしていたと思うので、そこに関しては胸をなでおろしました。(とはいえやっぱり経験・実力の差は出るよね、と思う部分はありますが)

その2グループがそれぞれで成長し、NEXT VENUSグランプリの頂点を目指していく展開は、準決勝2戦が若干駆け足気味だったかなとは思いますが、それでも勝敗を分けたであろう要素についてはしっかりと盛り込まれていて考察のしがいがありました。(自分の中では、全12話の記事中第10話のサニピvsトリエルの考察記事が一番良く書けたと思っています。最初数回見た段階ではどうしてもサニピの勝ちが腹落ちしていなかったところを、何度も見返す中で自分の中でも納得できる理由を拾っていき、記事を書くことによって「自分の中で正当にサニピを勝たせる」ことができたなぁと思いました。)

 

また、考察する中で「今後の課題」と挙げたところがあとで見事に回収されたなぁというのも自分の中では好評価ポイントです。

例えば序盤で指摘した「琴乃が抱える性格的問題」が第11話では見事に解決していたというところなんかは考察に対してその後の展開が答えを出してくれた好例だったと思います。

そんな感じで、毎話毎話情報量がものすごく多く、それでいて全体を通してもそれらの筋がきちんと通っていたところはとてもよかったです。

 

そして最後には新人戦であるNEXT VENUSグランプリを両チーム優勝という形で締めくくり、しかしそれはまだ通過点でしかなく、これから先「トップアイドルを目指す道のり」が続いていくのだという終わり方でしたが、新生星見プロの第1章としては申し分ないストーリーでした。

「Shine Purity」で「夢の先 続くことも 教えたのは君だよ」という歌詞がありましたが、最後「song for you」を歌い終えた琴乃に、麻奈が「まだまだ、道は遠いよ」と語りかけたシーンがまさにそれだったのでしょう。

そして「サヨナラから始まる物語」が歌われてNEXT VENUSグランプリの幕が下りました。

ここまで辿り着いた達成感もありながら、またここから次の物語が始まっていくのだといういい最終話だったと思います。

(ただ、それだけにアプリリリースまでしばらく期間が開きそうなのはちょっと心配です。6/30説が有力視されていますが、また近くなったらバシバシ盛り上げてほしいものです。)

 

作品外に目を向けると、同時並行で進んでいった周辺コンテンツも非常に充実していたなというのが印象的です。

毎話終了後、すぐに新曲がリリースされるのは今の配信・サブスク前提の時代ならではのいい取り組みだったと思いますし、Dropboxを使った資料共有も「マネージャーとしてのロールプレイ」ということで、なんだか当事者意識も湧いてとてもワクワクする企画でした。

当事者意識といえば、「11月のイベントで衝撃の第1話を見せた上にいろいろな秘密情報を握らせて”社外秘・拡散禁止”と釘を差して帰らせた」のもなかなかに大胆な手法だったと思います。第1話放送も待ち遠しかったし、その続きとなる第2話の放送も本当に今か今かという心境でした。

特にグループ分割についてまでも情報を握らせられたのは、なかなかに大きなお土産だったと感じています。なんせ、11月末~2月頭までの2ヶ月強、ずっと口をつぐんでいなければならなかったわけですからね。

そのおかげでこれまでにないアニメの楽しみ方ができましたし、今後そうそう同じような経験もないだろうなと思います。

 

そんなこんなで、とりあえず思いつくあたりの楽しかったところ、よかったところを書き出してみましたが、一方で悪かった面もありました。

先行コンテンツをずっと追っていた立場としてはこの上なく楽しんでいましたが、やはり世の中「アニメしか見ない」人というのはたくさんいます。

まして、今は配信も充実しているため、録画せずともたくさんの作品をチェックすることが可能な世の中です。

そうした中で、「いろいろ知っていれば面白いのに、それを知ろうともしないのに叩く人」は正直かなり多かったなと感じました。

「コミカライズや一問一答の内容を、かいつまんで補助線として紹介」するくらいは公式側からの初見さんへのアシストがあってもよかったのかな、と愚考する次第で、弊ブログでも1話と2話については補助線的記事を用意したのですが、それも流石に毎話の考察と併せてのリソースが割けず、そこに関してはこちらではどうすることもできませんでした。

情報は既に出揃っているので、その情報への導線を積極的に紹介してくれていれば初見時のとっつきづらさは軽減できたのではないかと思います。返す返すもそこの「初見ハードル」で脱落した人の多かった印象というのは残念なところです。

あとは「ただのアイドルアニメではない」という煽り文句もハードルを上げた一因だったように思います。聞こえはいいけど、じゃあ何がどう違うの?というところはこれだけよくよく作品を見ている自分でもうまく言い表せないです。製作サイドは概ねよくやってると思うのですが、マーケティング・広報サイドが今ひとつ有効打を繰り出せていなかった印象はあります。やっぱりそのへんがどうしてもいわゆる電通とかが叩かれがちな「広告屋」のやるアウトプット、顧客サイドと温度差のあるアウトプットだなと思ってしまうところです。

 

とまあこんな感じで、よかったけど総合的に見れば100点満点ではないよというのが総括になるんですが、不満な面ってせいぜい「全12話構成で駆け足感が否めなかった」「広報面での失点があった印象」ってところくらいなんですよね。

1つの話数に情報量が詰まりすぎている傾向が全体を通して見受けられたので、放送直後~翌日くらいまでにそこをもう少しフォローしてくれれば、アニメからの人でももっとわかりやすかったんじゃないかと思うところです。

たぶん世の中、自分のようにこうして事細かに考察する人ってそう多くはないんだろうなというのは当初から追っているうちに折々で感じるところでした。

 

 

ということで、全12話の考察シリーズは一旦これで一区切りとなります。

最終話から1ヶ月近く経っちゃいましたが、ようやく一通り書き上げることができました。

ここからアプリリリースまでは、キャラごとのアニメを通した総括みたいな目線でやっていきたいと思います。

ひとまず真っ先にやりたいのは白石姉妹のことを掘り下げる記事です。