吾輩は伊藤美来さんのオタクである(公式グッズによると「WE ARE ITO MIKU SUPPORTERS」とのことらしいが別段伊藤美来さん本人から推奨されているわけでもないのでどう呼べばいいのだろう?StylipSにおける「バディ」的なのがあればいいのだけど)。
去る2016年10月10日(月・祝)に品川インターシティホールで行われた
「伊藤美来 Birthday Live Miku's Adventures」
の昼夜両公演に参加した感想をどうしても書き出したくなり、しかしそれを我がツイッターでやってしまうと流石に公害になりかねないのでこうしてブログなんてものをこさえてしまったのです。
このライブに関してはいくつも語りたいところがありすぎて困っているくらいで…
今回はその中から、
「定番外してきた問題」
とでも言うべき(あくまで定番かどうかは個人の意見です)、今回一番の驚きについて書いていきたいと思います。
まずはじめに、今回ライブに一緒に行った先輩(ろこどる視聴済み)に9月頭に送ったライブ予習用資料をご覧ください。
これは昨年のバースデーライブ
声優・伊藤美来、バースデーライブでスペシャルゲストと特撮ソングを熱唱! 「Miku's Adventures 2015」 | マイナビニュース
そして今年5月のファンミーティング
声優・伊藤美来、2016年秋のソロメジャーデビューが決定! 「伊藤美来 ファンミーティング」開催 | マイナビニュース
の2つのソロイベントを踏まえての予想。いつも伊藤美来さんの記事を上げてくれてありがとうマイナビニュースさん。
今振り返ってみると割といいところは行っているかな、と思います。(なんでAddictedだけ△なんだろう…とか初期StylipSがノーマークだった、とかいろいろツッコミどころと反省点はあるけど)(特撮コーナーはカバーしきれていない不信心っぷり)
で、この予習用資料を持ち出して何を言いたいかというと、今回のライブで「ミライファンファーレ(かレインボーバトン)」と「細胞プロミネンス」、は確実に来るだろうという雰囲気があった、つまりこれらこそがここで言う「定番」だよ、という点です。(ミライファンファーレが○なのは同じくろこどるOPのレインボーバトンが代替するかもと思ってのこと。どちらかは確実にあるだろうと思っていた)
「ミライファンファーレ」は、伊藤美来さんの初主演作品となった『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』のOP。
多くは語りません。アニメろこどるの宇佐美奈々子は伊藤美来さんの成し遂げた偉業のひとつとして挙げていいでしょう。わたくしもろこどるから伊藤美来さんを知った身でございます。
「細胞プロミネンス」は『ミリオンドール』の後期OP。
こちらはメジャーの舞台を目指す地下アイドルのマリ子として歌った一曲。
サビの”身体中の細胞 たたき起こすんだ”というフレーズと、左胸を叩く伊藤美来さん本人考案の振り付けが重なる瞬間が最高にアツい「俺プレゼンツ・曲オブザイヤー2015」(1年で一番いい曲に個人的に贈るタイトル。ちなみに2014年は流川ガールズソング)です。
ライブパートが短かったファンミーティングにおいて、数ある曲の中から選び抜かれ歌われたこの2曲。どちらも、ファンにとっては伊藤美来さんのこれまで駆け抜けてきたキャリアを想起させる、非常に思い入れのある曲です。当然、今回のライブでも披露され、俺たちを熱くさせるものと思ってやみませんでした。
しかし蓋を開けてみると、そんな「定番」のはずのこれらの曲が歌われなかったのです。
ただ、そのことによってライブの満足度が下がったなんてことは全くなく、むしろ
「あの鉄板曲抜きでもここまでのライブが完成するのだな」
という感想を持ちました。(もちろん聴きたかった気持ちはあるよ)
とはいえ残る違和感…なぜあれらを歌わなかったのだろうと。
ライブの日以来、いろいろなシーンを思い返しては「最高かよ…」となり続ける傍らしばらくこの問題が頭から離れなかったのですが、この度ようやく自分の中でひとつ納得できる結論にたどり着きました。
すなわち、今回のライブは、
「作品の力に依存しない『伊藤美来』本人としての色が強いライブに挑戦した」
ものだったのではないかということです。
そして、その挑戦の結果はここにライブ後1週間以上に渡って思い出に浸り続けるオタクがいることからもおわかりでしょう。
では、ここからはそう考えるに至った理由について説明していきたいと思います。
1.去年のバースデーライブのセットリストとの比較
去年のライブにおいて歌われた伊藤美来さんが出演している作品の曲は、
「ミライファンファーレ」「さきどりドリーマー」「For you!!」(『ろこどる』より)
「細胞プロミネンス」「Take you to My PARTY!!」(『ミリオンドール』より)
「Thank you!」(『アイドルマスター ミリオンライブ!』より)の6曲。
「さきどりドリーマー」はこのときが初の生歌となり、個人的には「待ってました!」の一曲でした。ただ、「ミライファンファーレ」「For you!!」に比べて知っている人が少なかったのかも…?という感触もあったりなかったり。
『ミリオンドール』の曲は元々が地下アイドルをモデルとした作品で、作中のライブシーンでもオタクによるクッソ汚いコールが繰り広げられるだけあって全力で盛り上がれます。(その分なにゃこには優しくしてあげるのが個人的なこだわり)
しかし、この中で最も盛り上がったのはライブ終盤に放たれた「Thank you!」でした。
どうもミリマスの世界ではアンセム曲らしく、イントロが流れた時点で周りが突沸したのを今でも覚えています。(そしてアイマスを履修していないせいでひとり置いてけぼりになる自分…)この「Thank you!」の盛り上がりは、まさに『アイドルマスター ミリオンライブ!』という作品の力を如実に表したものだったと言えるでしょう。伊藤美来さんのソロの舞台でいつも歌われている曲でないにせよ、「定番」級の力を持っていると言えます。
そんなこんなで伊藤美来さん本人の魅力もさることながら、いい作品に恵まれているんだなという印象を抱いたものです。
翻って今年のセットリスト。いつも伊藤美来さんの記事を上げてくれてありがとうマイナビニュースさん。
声優・伊藤美来、19歳と20歳の境目ライブ開催! Trysailや中村繪里子からのエールも -「Birthday Live Miku's Adventures」 | マイナビニュース
出演作からの選曲は、
「For you!!」「しょうらいのゆめ」(以上『ろこどる』)
「Take you to My PARTY!!」(『ミリオンドール』)
の3曲のみ。
奈々子のキャラソンである「しょうらいのゆめ」が去年の「さきどりドリーマー」と同じくここで初披露。
去年あれだけ会場を沸かせたミリマス曲、そして残りの2作品の各OP曲が使われなかったという点がそれぞれ変更になっています。
さてこの顔ぶれをご覧頂いて、ここで言う「定番」、言い換えると作品の顔たる曲が一切用いられていないということが主張したいのだとおわかりいただけるかと思います。
恐らく1回のライブでの曲数の上限は去年と同じ15曲で、今回のライブで一番大事なソロデビュー曲を歌うためにキャラソン部分が割かれたという事情もあるのでしょうが、それにしても去年の盛り上がりどころがかなり削られているのです。
そんな盛り上がりどころの曲たちに代わって今回使われた曲に目を向けると、「Take you to My PARTY!!」は作中でそれなりに流れていましたが、「For you!!」「しょうらいのゆめ」は作中での登場はありませんでした。
そんな3曲が、毎週のようにアニメとともに流れていたOP曲やいちコンテンツを代表する名曲と天秤にかけられた結果としてライブの舞台に上がってきた。このことから、「(「定番」曲と比較したときに)本編との直接の結びつきが薄い、作品の思い入れに直結しづらい曲」があえてチョイスされたと受け取ってもいいのではないでしょうか。
2.曲に対する姿勢
伊藤美来さんはひとつひとつの作品・曲に対して真摯に向き合い、思いを詰め込むお方です。(と見受けられる)
例えば、StylipSで初めて貰った自分のソロ曲でありこれまでのソロライブで絶対に歌ってきた「Dear Honesty」の間奏の振り付けに「魚心くんソング」の振り付け(出だしの「うおうお うおうお」の手パクパクとサビの「うおうおうおうお うおうおうおうお」の動き)(うおうおだらけだけど通じてくれ)や、こよなく愛するヒーローの変身ポーズを盛り込んでまさに自らのこれまで歩んできた足跡を辿る意味を込めてきたり、
「細胞プロミネンス」の間奏では「もっと…上に行きたい!!」という作中のマリ子の台詞を叫んでみたり(このエピソードには続きがあってそれもまた別の記事で語りたい)、
第2回初夏の流川祭りにおいては「さきどりドリーマー」の前奏に「宇佐美奈々子、歌いますっ!」なんて前口上を入れてみたり(これなにゃこ感あってめっちゃ好き)、
先日のロコドルフェスタでは「宇佐美奈々子を演じることができて私は幸せでした!」と感極まってみたり…(その後「幸せです」と訂正していたけどこの一言でいろいろなことが十分すぎるほどに”わかって”しまった)
というように、ひとつひとつの作品・物事と、そこに横たわる様々な思いや意味を大事にしていることがよくわかる姿をこれまで幾度となく目にしてきました。
そんな彼女だからこそ、今回のセットリストにも何か意味が込められているはず…そう思い、先程挙げた3曲の中でも「For you!!」「Take you to My PARTY!!」周りを自分なりに解釈してみました。
「For you!!」「Take you to My PARTY!!」の2曲は、本人の持ち歌「妄想Realize」と合わせて開幕一発目のタイミングで用いられています。
この選曲に我々に対するメッセージが込められているとしたら、以下のようになるでしょう。(歌詞より引用)
「For you!!」…「輝き始めた私の未来」「はじめの一歩をはじめよう」「笑顔をあなたのために」
「一緒ならどこまででも飛んで行ける 終わらない足跡を奏でよう 通じ合う心は虹を描くよ」
「飛び出そう 目の前に広がる景色が花咲く場所へ」
「Take you to My PARTY!!」…「あなたにね 見せたいんだ My Best Place 言葉だけじゃ伝わんないから ここへ来て」
「とっておき 刺激的 最高がここにある さあおいで」
「心揺さぶる輝きが ここにある」
「あなたにね 聴かせるんだ My Best Phrase」
「心打ち抜くときめきが ここにある」
「For you!!」には、20歳を迎えるにあたってのはじめの一歩をここからはじめるんだという決意や来てくれたあなたのために!という心構え、みんなと一緒ならどこまででも飛んでいけるよ!という思いが込められていたのではないでしょうか。
「Take you to My PARTY!!」は、曲名と内容の通り「さあおいで、ここが最高に楽しい私のライブだよ!」という我々に対する招待状であったように思えます。
このように、「For you!!」で伊藤美来さんに出会い、手を差し伸べられた我々は「Take you to My PARTY!!」でライブの世界へと手を引かれていきました。
…そして連れられて行った先で待っていたもの、それこそが
「1996年10月12日、この平和な世界にひとりのヒーローが誕生した。
みんなのことは、私が守る!ヒーロー声優、伊藤美来!!」
という、世界でただひとり、伊藤美来さんにしかできない名乗り口上。
こうして、オリジナルのヒーローソングに乗って妄想がRealizeする夢の空間が幕を開ける…
こうして振り返っているだけでもやってくれるじゃねーか!!!!!
という気持ちになりますね。
なんか色々考えると俺あの時の「妄想Realize」でDynamic Miku Attack食らって死んでたんじゃないかなと。マジヤバみがありすぎて深い、ありがとう…ありがとう…(語彙力が死んだ)
そういえばファンミーティングのときに今回のライブについて「今までで一番のライブにするから楽しみにしててね!」という趣旨の発言をなさっていた
(http://ameblo.jp/itou-miku/archive3-201605.html#main)けど、その通り最高じゃねーか!と…ありがとう…ありがとう…
と、思わず本題から逸れてしまいましたが、この「For you!!」と「Take you to My PARTY!!」はそれぞれ別の作品のキャラクター、奈々子とマリ子のキャラソンでありながら、
伊藤美来さんは見事に2つを融合させ、そしてキャラソンを歌いながらもそれを来てくれたファンへの、自身からのメッセージとして昇華させる
ということをやってのけたのです。
また、先程挙げたもう1曲である「しょうらいのゆめ」は本人の口から「この曲は奈々子の曲でありながら自分にも通じるところを多々感じてまるで自分の曲のよう」「今日は奈々子の力を借りて伊藤美来として歌う」といった趣旨の前置きがあった上で歌われたものなので言わずもがな。
「キャラソンをうまく自分の世界に落とし込み、自分のものとして表現する」
姿がそこにはあったのでした。
も一度言うけど「For you!!」→「Take you to My PARTY!!」→「妄想Realize」の流れは曲名からして本当に強いお気持ちが滲み出る大変よい組み合わせだと思います。
この強いお気持ちの滲み出る曲名順に現地で気づく脳があればよりライブを楽しめたのかな…?
去年は流石にこんな数曲合わせ技なんて芸当なかったと思ったんだけど。いや伊藤美来さんすごいと思う…
っていうかよくよく考えると「For you!!」のときに「なにゃこ~~」とか言ってた俺は浅はかだったのでは…?いやマジこれ…
そもそもあれだけ楽しかったライブなんだから定番もクソもないのでは…?そしたらこの記事何なんだ一体…
…ということで、これまで「定番」だと思っていた「ミライファンファーレ」や「細胞プロミネンス」は確かにありませんでした。でも、それ以上に伊藤美来さんが繰り広げる新しい世界を見ることができたというのは大きいのではないでしょうか(と自分に問いかける)。
今回のライブは20歳直前、ソロデビューCD発売日まで秒読み段階というタイミングだったためこのような挑戦的内容になったのかもですが、今回歌われなかった数々の曲たちもいつか「これまでの軌跡を振り返る」的内容のライブが行われる暁には絶対にまた聴きたいものです。
(ほぼライブ序盤の3曲にのみ絞った話題だったのに6000文字を越えてきてしまった。こんなに長文を書くのは卒論以来である…)
(次は「ロコドルフェスタ振り返り」編とか「ライブの話その2」編とか「伊藤美来さんと宇佐美奈々子さん」編とか「細胞プロミネンスの間奏」編とか「なぜ俺がこんなんになっちゃったのかを伊藤美来さんを知らない人に伝えよう」編とかいろいろ構想がある)