今年もまた、伊藤美来さんのライブの話をしよう(その2)
というわけで(その2)です。
((その1)はこちら)
そこは妄想の世界、誰も君を止められない
「あお信号」が歌われた後、ステージ上では再び映像が。
やってきた島で一日を過ごし、宿の部屋ではしゃいでいるあたりまでMVが進んだところで、
「ここでの時間は温かく優しく、そして私を妄想の世界へと駆り立てるのだった…」みたいなセリフが入り(ほらみろもううろ覚えになってしまった。これだからさっさと書き上げないやつは)、再びライブパートへと突入しました。
妄想、と言えばこれ以外にありません。彼女だけのオリジナルのヒーローソング、「妄想Realize」でスーパーヒーロータイムの幕開けです。
持ち味であるダンス力も存分に活かされたパフォーマンスで一気に会場のボルテージも最高潮に。
1年ぶりに「Dynamic Miku Attack」を食らうことができてよかったです。みなさんもよかったですよね。
ソロライブという場で「さあ!今!夢の場所へ」という歌詞が聴けるのエモくないですか?僕はエモいです。
(そういえば、この「妄想Realize」が収録された2015年のバースデーライブのメモリアルグッズセットがついに入手困難?という話題が出ていましたね。
音源手に入らず困っている方は貸しますのでぜひ。)
続いてヒーローソングのカバーが2曲。
毎年恒例のコーナーではありますが、~Island of aquaveil~の世界観にどうぶっ込むのかと心配していたら「妄想の世界」というエクスキューズで攻めてきたので上手であることだなあと感心しました。
掛け声がありライブ映えする「Climax Jump」と「特捜戦隊デカレンジャー」をいつもやってくれるのは本当にうれしいです。
デカレンジャーの2番Aメロで「ウォーオーオー↓」「ウォーオーオ!↑」キメるのが最高に!!!気持ちいい!!!!!
3年にわたり布教され続けたのでもう完璧ですよこれは。ありがとう…
そして、そんなヒーロータイムから矢継ぎ早に繰り出されたのは「Shocking Blue」。
「伊藤美来」名義での初のアニメ主題歌、Youtubeの公式動画がめっちゃ再生されてる、伊藤美来さんご本人が(リリイベではなく)本格的なライブで披露するより前に自分の生誕祭ライブでカバーする声優が現れるなど(個人的なものも含め)印象深い一曲です。
今回のアルバムの中ではぶっちぎりで一番のアツい曲ということもあり、「妄想Realize」からの一連の流れの締めくくりとしてもってこいでした。
サビの「誰も 誰も 誰も」のところで左、右、中央を指し示し、流れるように左腰に手をやり抜刀してみせる振り付けがキマっていましたね。振りコピして一緒にペンライトを抜刀すると気分は『武装のんのん少女マキャベリズム』の百舌鳥野ののちゃんです(変換しようとしたら百舌鳥のノノのって出た)。ののっ!
曲の締めにはしっかり刀を納める振り付けが。会場が沸きに沸いた妄想の世界の幕を綺麗に落とす、それはそれは見事な一太刀でした。
旅は佳境、彩る名曲たち
ここからはラストスパート。
まずは、StylipS時代から今に至るまで共に歩み続けてきた「Dear Honesty」が歌われました。
この曲に関して多くは語りません。ただ、歌詞を読んで下さい、と。
去年はこの曲に乗せて会場のすみずみまで手を振ってくれましたが、今年はしっかりと歌い上げる姿がありました。
この「Dear Honesty」を聴くと、彼女とともにこれからも進んでいけたらいいな、という気持ちになるのです。
(もはやこんなのは余談オブ余談なんですが、ひとつ気になる点がありました。
ポイントは2番サビ後の間奏。ある出演作の劇中歌の振り付けを組み込んでいる箇所があったのですが、今回はそこにあたるタイミングでセットの階段を降りていたため振り付けが無かったのです。
2部ともそうだったということは何らかの意図があったのでしょう。もう放送終了からしばらく経つこともありますが、その頃からのオタクとしては一抹の寂しさも感じる反面、アニメやキャラの面影を感じさせず徹頭徹尾「伊藤美来」としてライブをやりきる気持ちを垣間見た一幕でした。)
続いて「七色Cookie」。
いきなり「らららちゅっちゅっちゅるっちゅ~」と歌い出す、「かわいい」に全振りされた史上稀に見る破壊力を持った曲です。
ライブで披露されたのは丸1年ぶりですが、相変わらず生で聴くとヤバいです。
「流行りの瞬間だって 聞き耳をぴょんと アンテナみたいに」という歌詞に合わせてあの伊藤美来さんがなんとうさ耳ポーズをなさる。これだけでチケット代の価値はあります。
今年もまた聴けたという僥倖を前に思わず90°の最敬礼をしてしまいました。
誠にありがとうございました。
次はデビューシングルの表題曲「泡とベルベーヌ」。
この1年、この曲をどれだけ聴いたことか。
それはそれはたくさんです。
品川インターシティホールで、池袋サンシャインシティで。ラジオで、通勤中のウォークマンで、朝の目覚ましのアラームで。
ある日はアニクラで、あるいはPV撮影地で、はたまた憧れと敬意に満ちたカバー曲として。
いろんな日々を経て再び生で聴くと、なんだか安心するような、歩んできたこれまでを誇れるような。
「ワンピースにスニーカー」と歌いながらワンピースの裾をつまんで見せ、靴を指差す姿がなんだか板についたような感じがして。
見ていて聴いていて浮かんでくる思い出たち、それらを全てひっくるめて「よかったなぁ」、と幸せになれる瞬間でした。
染まる、染まる。見渡す限りの「私色」
水彩の島を巡る大掛かりなさんぽの終点。それこそが「ワタシイロ」だったのです。
「アーティスト活動1年間の集大成」と位置づけられたアルバムの、その最後を飾る一曲です。
ここで、お願いが2点ほどありました。
ひとつは、「みんな、手持ちのペンライトで思い思いの色を光らせてほしい」ということ。
もうひとつは、「曲中、『さぁ彩られる準備はOK』という歌詞に合わせてみんなでOK!と言ってほしい」ということ。
それまではある程度の統一が保たれていた会場に、実に様々な色が広がっていきました。
「色」。誰しもにきっと、その人それぞれの色があるのでしょう。
あの日の会場にはたくさん、伊藤美来さんのイメージカラーということになっている水色の服を着た人がいました。でも、水色の服を着ていてもその人の心は黄色に染まっていたかもしれませんし、それが紫やら緑やら橙やらだったのかもしれません。
あるいは、気付いたら誰かの色に染まっていた人もいたことでしょう。ピンクや白、青に赤…
ここで水色を光らせた人は、心から伊藤美来さんのファンなのかもしれませんし、あるいはとってもかわいい魚心くんなのかもしれませんね。実は水瀬いのりさんのファン、なんて可能性もなきにしもあらず。
会場が彩られていく風景を見ながら、彼女は「これ!っていう色がない人も、今思う色でいいからね」とも。
そう言われて色を決めた人も、その色にしたのは偶然なのかあるいは必然なのか。
そんなこんなで、ひとりひとりの「私色」で埋め尽くされた会場ができあがりました。
なんだか、「あなたは何を思ってその色を光らせたんですか?」っていうエピソードだけで一冊本出せそうですよね。少なくとも僕は自分が光らせた色の話だけでブログ記事ひとつは欠けると思います。書かないけど。
(ちなみに僕が何色にしたかは内緒です(別に隠すことでもないし伝える人には伝えてる)。
意味をちゃんと持たせた上で、水色以外で2色振ってました。しかもペンライト1本は伊藤美来さんバージョンですらないやつで。)
「らーらるらーらるとぅるりら♪」というスキャットから始まるこの曲。
会場は皆、思い思いの色に光らせたペンライトを持ち静かに耳を傾けていました。
「溢れてく色とりどりの世界 飛び込んで もっと キラキラ光れ」
「重ねてく ひとつひとつの出会い 巻き込んで もっと キラキラ光れ」
光り輝く会場の視線の中心で、そう歌い上げる姿は最高に素敵でした。
「誰かに決められた らしさ なんて 気にしていたら もったいないでしょ」
その通り。このライブは他の誰でもない伊藤美来さん本人が作り上げたライブ。
余すところなく、うんと、うんと心が込められた、幸せな時間でした。
その幸せな時間の名残を惜しみつつも、
「明日はどんな色になる さぁ彩られる準備は?」
「OK!」
と時計の針を進めていく覚悟を確かめ合い、そして彼女は
「目に映るものの全て 巻き込んで もっと キラキラ光れ」と。
目の前に映るフロア、そこには喜びも寂しさも、感動も楽しさも誇りも、憧れも愛も苦しさも嬉しさも切なさも、幸せも尊さも覚悟も無念も達成感も、ありがとうもよかったねも…どんなものがどれだけ込められていたのか計り知れませんが、とにかくいろんな想いがそれぞれ光っていました。
そんな全てを巻き込んで、もっとキラキラと輝いていく。
「染まる染まる 私色」
この日のこの光景の中で歌われるために作られたのではないかと思ってしまうくらい、目に映る景色とリンクしていました。
「今までも これからも ただまっすぐに明日を信じているから」
そう。そんなまっすぐな姿が大好きで、だから応援してるんです。
こうして、2017年の伊藤美来さんのバースデーライブは幕を閉じました。
最後には、やはり「ワタシイロ」のPVが流れます。
一晩の島での暮らしを終え、船に乗り日常へと帰っていく伊藤美来さん。
それは我々も同様で、夢の時間を終えたらまたいつもの日常へと戻らなくてはならないのです。つらい。
でも映像の最後には、「Next adventureでSee youしような」みたいな英文(なんて書いてあったかもうすっかり忘れてしまった。これだから早く書かないオタクは…)がありました。
だからまた来年もきっと会えます。
その頃にはどんな姿が見られるのでしょうか。
少なくとも、去年の今頃想像していた以上の世界がこの~Island of aquaveil~にはありました。
来年の今頃も、今想像している以上の世界を見せてくれることでしょう。
さっそく来年1月からの新アニメ『りゅうおうのおしごと!』にてエンディングテーマを歌うことが発表された伊藤美来さん。
まずはその次の一歩がどのようなものになるのか、今から楽しみでなりません。
(なんだか非常にポエミーな記事になってしまった…だがそれくらい=いつものようなチマチマした論理がぶっ飛ぶくらいエモかったのである)
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(ブログ開設から1年が経ちました。
おかげさまで1年間で3,000以上ものアクセスを頂きありがたいやら畏れ多いやら。
「伊藤美来さんのライブについて記事を書きたい!」という一心から立ち上げたブログでしたが、こうしてまた伊藤美来さんのライブの記事を書くことでちょうど1周年を迎えられたのは幸せです。
しかし注目記事上位5つのうち1位がけいおん!、2~4位がESD、5位が伊藤美来さんという感じになってきているあたりなかなかこの1年のドリーマーっぷりが窺えます。
ESDに関してもいっぱい書きたいことはあるので順繰りにやっていきたいですし、マジで暇になったあたりでムギちゃんについて延々語る記事は書きたいですね。
「ブログ書きオタクは近年では珍しい」とよく言われるので、他に何か奇行をかませるわけでもないですしこのままブログ珍獣として生きていくのもありかなと思っています。
今後ともどうぞよろしくお願いします。)