流川運河のほとりに生えている木

「高尾奏音界隈のデイリースポーツこと弊ブログ」

\( 'ω')/ヘーイ 高尾奏音さんの情報・イベントレポに関しては日本一を自負するブログです。

IDOLY PRIDE -Side Chisa-

アニメ『IDOLY PRIDE』放送終了からすっかり日が経ってしまいましたが、ようやく時間が取るようになってきたのでやりたかったシリーズに手を付けていきます。

そのうちアプリのリリースのほうが先に来てしまいそうですが………

と思ったら案の定書き進めている途中でリリース日が決まってしまった。

 

 

 

というわけで、ずっとしたかった千紗ちゃんのお話を存分に語っていきたいと思います。

アニメ『IDOLY PRIDE』では一体どのような部分が描かれていたのかというところを、千紗ちゃんにフォーカスを当てて見ていく試みです。

 

「お姉ちゃんと一緒にいたい」という夢

最初に、そもそも千紗ちゃんはどうして星見プロの門を叩いたのか?というところから整理していきましょう。

www.lisani.jp

 

――編み物にお洋服、ホラー映画と趣味が幅広いですね。では続いて、アイドルについてお聞きします。千紗さんがアイドルを志した理由を教えてください。

白石 お姉ちゃんが事務所を受けて、私も一緒にいたくて……応募しました。そのとき私は一度落っこちたんですけど、そのあと連絡をもらって入所することになりました。

「お姉ちゃんと一緒にいたくて」星見プロに応募した、と答えています。

流石の自分としても最初は「それが理由で…?」と思っていましたが、アニメを全話見た今の状態では割とマジでそうだったんだなという結論に至っています。

その根拠をこれからつらつらと述べていこうと思いますので、しばしお付き合いのほど。

 

無事に星見プロに入所、だが………

オーディションに「一度は落とされてしまった」ということでしたが、アニメでの千紗ちゃんはその紆余曲折を経て無事に星見プロの一員となったところから登場していました。

(この辺のストーリーはアプリの方に大いに期待しています)

 

序盤は特に波乱なくお話が進んでいましたが、オープニングの映像でも見受けられる通り体がハチャメチャに硬かった千紗ちゃんも、トレーニングの日々の中で徐々に柔軟性を伸ばしていき、最初は誰かに後ろから押してもらっていたところを、第5話を迎える頃には一人で床まで手を伸ばせるほどになっていました。

こういう一瞬一瞬のカットだけでもはっきりと成長の跡が見えるのって、アニメが細部まで作り込まれているということのまたとない証明だと思います。

千紗ちゃん、きっとここまで毎日毎日トレーニングして柔らかさを手にしたんだろうなと思うと大いに褒め称えたくなりますね。

 

このように、入寮してからは基礎トレーニングを積み重ねつつ日々精進していた千紗ちゃん。

しかし、その第5話で、彼女のモチベーションの根幹を揺るがす非常事態が訪れます。

そう、「一緒にいたかったお姉ちゃんとグループが分かれる」こととなる、第5話のメインテーマにもなっていた星見プロのグループ分割です。

以降、サニーピースの一員として打ち解け合い、NEXT VENUSグランプリの頂点を目指す姿が見られますが、一方でグループが分かれてしまったお姉ちゃんとは以前よりは確実に距離が離れてしまう、そんな側面も垣間見えるのでした。

 

「いつものあのなんか不思議な猫(?)ちゃん」から見る白石姉妹の距離

突然ですがみなさんは、「いつものあのなんか不思議な猫(?)ちゃん」のことをご存知でしょうか。

「いつものあのなんか不思議な猫(?)ちゃん」とは、沙季さんが大好きなキャラクターで、実は沙季さんの身の回りの至るところに潜んでいます。

正式名称が不明で、今の所固有の呼び名として上がっているのが上の4コマで千紗ちゃんから出ている「いつものあのなんか不思議な猫(?)ちゃん」しかないので、ここでは便宜上そう呼んでいきます。(便宜上と言いつつ長い)

 

沙季さんはこの猫(?)ちゃんのことがよっぽど好きなようで、練習着だったり、部屋のカーペットだったりに出没しており、おはようからおやすみまで囲まれていると言っても過言ではないでしょう。

(この表情すき。白石姉妹の困り眉のファンなので) 

(何匹いるか数えてみよう!)

 

また、千紗ちゃんが「あのなんか」と言っている割にはハチャメチャに商品展開が手広いのも特徴的です。

 

…という猫(?)ちゃんの紹介をしたかったわけではなく。

本題に戻ると、先程の4コマを見ても分かる通り、千紗ちゃんはこの猫(?)ちゃんのことを「姉がこれを好きなのだと知られたらイメージが壊れかねない」と捉えています

一問一答で話していたこれも、おそらくこの猫(?)ちゃんのことを指しているのでしょう。

――そういえば、沙季さんがおっしゃっていましたが、お姉さんの洋服は千紗さんが選んでいるとか?

白石 えへへ、そうです。お姉ちゃん一人だと……ちょっと変わったプリントのTシャツを買っちゃったりするので……。

 

――なるほど、どんなTシャツでしょうか?

白石 すごくファンシーで……おっきいプリントがどーんって入ったようなやつです……。

(おっきいプリントがどーんって入ったTシャツ)

 

そんなわけで、「千紗ちゃんがコーディネートする際は、沙季さんのよそ行きファッションには猫(?)ちゃんが入り込むことはない」と言えるのではないかと思います。

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(7話より。久々のオフに姉妹水入らずで出かけたときの姿)

 

練習着に関しては、レッスンの様子が描かれ始めた3話の時点から終始猫(?)ちゃん柄でしたが、これについては見られるのが身内だけだし、猫(?)ちゃんが好きな事自体は尊重しているという、千紗ちゃんなりの線引きの結果なのではないでしょうか。

 

ところが、サニーピースと月のテンペストに分かれ、各グループでの活動が活発化して以降、あからさまに様相が一変します。

(6話より) 

(8話エンディングより)

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(10話より。客席からサニーピースvsTRINITYAiLEを見守りながら)

特に最後は、ライブバトルの会場です。

4コマのような認識を持っているのであればこんな格好で外を出歩かせることはしないでしょうし、関係者席とはいえ公衆の面前で猫(?)ちゃんTシャツを着ている姿を見たら、千紗ちゃんはハラハラどころの話ではないのでは…?と思いませんか?

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なんせ、千紗ちゃんはこれだけおしゃれなコーディネートを仕立て上げられるほどのセンスの持ち主なのですから。

(と思ったら沙季さんの手に持っている栞に猫(?)ちゃんがいた。何という繁殖力………)

 

ということで、この沙季さんの私服への猫(?)ちゃんの台頭具合から、以下のような仮説を唱えたいと思います。

「7話のお出かけのシーンでは千紗ちゃんによるコーディネートが行き届いていたが、グループが分かれ、それぞれの活動に邁進していく中で徐々に姉妹の距離は離れていってしまったのではないか。

大好きなお姉ちゃんと離れてしまった千紗ちゃんが心細さを抱えながらもサニーピースの一員として成長していく一方、これまでファッションに関しては千紗ちゃんに依存しきりだった沙季さんの私服に猫(?)ちゃんが見え隠れするのもまた、沙季さんがずっと一緒だった千紗ちゃんから離れて自分の力で歩み始めたことを力強く示唆するものである。」

 

見るからに怪しく、しかしながら大胆に存在感を放つ猫(?)ちゃんは、そんな姉妹の成長を誰よりも近くで、優しい眼差しで見守っているのかもしれませんね。

 

もう一度夢を叶えるただひとつの方法

最後に、終盤戦~最終回にかけての千紗ちゃんに注目していきましょう。

その前に、アニメでのそのあたりまでの流れを千紗ちゃん目線でまとめると、

『お姉ちゃんと一緒にいたい』という理由で星見プロの門を叩き、紆余曲折を経て無事にその一員となった千紗ちゃん。実力では劣るものの決してくじけずに練習を積み重ねる日々を過ごしていたところ、ある日無情にもお姉ちゃんと離れ離れとなるグループ分けが行われてしまう。

高い実力を持つ怜の指導に一度は折れそうになるもそれを受け入れ前へ進み、サニーピースの一員として舞台へと足を踏み入れていく。

といった感じになるでしょうか。

 

お姉ちゃんと離れ離れのグループになってしまったことを最初は嘆いていた千紗ちゃんですが、やがてその事実を受け入れた上で、置かれた状況下で目指すべき夢を改めて見据え直したのでした。

そんな決意を、7話ではお姉ちゃん本人にこう語っています。

私も同じ…怖いけど、頑張る。

お姉ちゃんと同じ舞台に立ちたいから。

立たないと、後悔すると思うから。

「お姉ちゃんと一緒にいたい」という、星見プロに逆転で加入できたことで一度は叶ったはずの夢。

それが、離れ離れのグループでそれぞれがいちアイドルとして活動することになったことで、NEXT VENUSグランプリを前に「お姉ちゃんと同じ舞台に立つ」という形に昇華されたのでした。

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(昇華といえば初お披露目のワンフェスで配られていたこのポストカード。しょうか、そういうことか| ᐕ)⁾⁾)

 

しかし、そんな決意の矢先に発表されたNEXT VENUSグランプリのトーナメント表は皆さん御存知の通り。

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「お姉ちゃんと同じ舞台に立つ」ためには、自分たちサニーピースはさることながら、お姉ちゃんのいる月のテンペストのほうも、並み居る強豪を乗り越えて双方が決勝の舞台へ勝ち上がることが必要となりました。

自分が100%を尽くすだけではなく、自分が関与しきれない部分も組み合わさらないと達成できないというところはありますが、それでも千紗ちゃんはお姉ちゃんを、月のテンペストを信じて自分たちの戦いに臨んでいきます。

(こればっかりは同じ山のほうが達成難易度は低かったのに、よりによって決勝でしか当たれないとは運命のいたずらもいいところです。組み合わせを見たときの千紗ちゃんの心境はいかほどのものだったのだろう…。)

1回戦、2回戦を勝ち進み、準決勝の前には「サニーピースだけの歌を見つける」ことにも全身全霊を懸けながら、遂にはTRINITYAiLEを破り決勝進出を勝ち取りました。

千紗ちゃんができる100%はここまでで、人事を尽くして天命を待つのみという状況で見守ることになったのが11話の月のテンペストvsLizNoirの一戦でした。

 

11話って千紗ちゃんマジで3瞬くらいしか映ってないんですが、それでも個人的にはものすごく印象深いんですよね。

まず1瞬目がこちら。

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決勝進出を決めたあとの楽屋で、お姉ちゃん(と猫(?)ちゃん)に包まれる千紗ちゃん。

2瞬目がこちらで、

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準決勝のLizNoirのパフォーマンスに息を呑むサニーピース一同。

 

そして最後の3瞬目。

準決勝の勝敗が決し、決勝戦が「月のテンペストvsサニーピース」になると決まったシーンです。

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これまでに見せたことのないほどの号泣で、顔を両手で覆っているのがわかります。

そう、このときこそが、わずかな糸一本の先にしか可能性のなかった「お姉ちゃんと同じ舞台に立つ」という千紗ちゃんの夢が叶った瞬間だったのです。

予選1位・2位で実力も折り紙つきのLizNoirにTRINITYAiLEを上回っての双方の決勝進出は、客観的に見ても非常に困難なものだったと思われます。

しかし、そんな中でも自らの夢を諦めずに仲間とともに辿り着いた決勝の舞台に、こうして大好きなお姉ちゃんがやってきてくれたのです。

そんな千紗ちゃんの心境を思うと、こちらまで両手で顔を覆いそうになります。

 

かねてからの夢を叶えた千紗ちゃんは、その決勝の舞台を心から楽しんでいたようです。

それぞれのパフォーマンスを終え、結果発表を待つ舞台の上。

ふとお姉ちゃんと目が合った千紗ちゃんは、こんな立派な表情を浮かべていました。

凛々しい!!!!頼もしい!!!!!!!

 

おわりに

こうして、見事「お姉ちゃんと同じ舞台に立つ」夢を叶えた千紗ちゃん。

その道のりは決して優しいものではありませんでしたが、厳しい練習にも耐え、仲間たちを信じ抜いた結果、NEXT VENUSグランプリの決勝という最高の舞台でその瞬間を迎えることができました。

 

…というのが、アニメ『IDOLY PRIDE』で描かれていた千紗ちゃんの物語だったのではないかなと思います。

特にアニメ終盤はさくら・琴乃・麻奈の3人にフォーカスが当たりがちでしたが、表立ってはいないものの、こうして千紗ちゃんを中心に見ていくと、ここにも立派な物語は存在していたのだと強く実感できました。

 

最後に、「ここの歌詞ってこれに当てはまるんじゃ?」という気づきを紹介してこの記事を終わりたいと思います。

 

「IDOLY PRIDE」より

ねぇ 必ずだよ

その手で掴み取ってみせて

たとえ離れ離れでもね

一つになって進もう

「その手で掴み取ってみせて」と、誰かに”掴み取る”ことを託すような言い方をしているのがアニメ放送前のこの曲の第一印象ですごく引っかかっていたのですが、今回こうして千紗ちゃんの境遇に立ってみたときに、「必ず、その手で決勝への切符を掴み取って」という言い方が通ることに気が付きました。

そして。

 

ねぇ 辿り着いたその先で巡り会えたなら

そっと手を繋いで 一緒に踏み出していく

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